表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/141

「私は……私たちはどうなったんだ?」

 ここは……


「スミレ、ローゼ、レモン」


 その声は……父上!

 どこに、どこにいるんですか!


「いつも見守っているよ……だから三人で頑張りなさい……」


 父上ッ!




「ハッ!」


 さっきのは……夢……か?

 しかし……父上の夢をみるとは。


「私は……私たちはどうなったんだ?」

『スミレ!』

『……ようやく、起きた』


 私が寝ていたのか……二人ともなにがあった?


『……ニンゲンの姿に、戻れたみたい』


 ……!

 確かに、いつもより視界が高い。

 ここは……さっき私たちが倒れた場所……?


『ねぇ……私たち、裸じゃない? それに、ほら』


 え。

 ……本当だ。

 なにも着ていない。

 謎の黒い布がかかっているだけだ。


「な、な! なんで……」


 それだけじゃない。


「お、起きたのか?」


 『ご主人様』が目の前に、いる。


「ち、近寄るな!」

「うげっ!」


 『ご主人様』を押し倒す。

 近い近い! 近寄らないでくれ!


「なに言ってるのか全然分からない……ケル……なんだよな?」


 こっちは相変わらずお前の言葉の意味だけ伝わるけどな。

 なにを言っているのかさっぱり分からない。

 本当にどこの出身なんだ、この男は。


 ……しかしどうしようか。


『正直に言うしかないんじゃないかな』

『……私も、そう、思う……』


 それしかないか……


「そ、そうだ……私が、私たちが「ケル」とお前が呼んでいたあの魔犬だ」


 大きく頷いてみた。

 これで、意味だけは通じたはずだ。


「やっぱり、そうなのね……」


 何故かオドオドしている。

 なにかあったのか?

 ……まさか!


「見たのか? もしかして見たのか!? 私たちの体を!」

「だから早口になってもなにを言ってるのか分からないって!」


 そうだった……

 不便だな……


「俺の言っていることは、分かるのか?」


 大きく頷く。


「君は……俺の敵か? 裏切るつもりか?」


 そんなつもりはない!

 大きく首を横に振って否定する。


「ちゃんと言葉の意味を理解している……ただ適当に頷いているわけじゃない……なんなんだ、これは」


 こっちが聞きたい。

 なんなんだこの不可思議現象は。


「え、なに翻訳する……? 仮ユーザー登録をして意味だけは伝わるようにすることが出来る……?」


 な、なんだ?

 また私たちには見えないなにか、か?


「とりあえず、この剣を触って!」

「わ、分かったから近寄るな!」


 言われた通り、剣を触る。

 なんでも刀身のところじゃないとダメらしいが……


「痛ッ!」


 一瞬、痛みが……


『う、頭痛い……』

『……一瞬だけ頭痛が……』


 いったいなにを……!?


「な、なんだ、これは……」


 そこには――空中に文字が浮かび上がっていた。


【ようこそ! ケルさん。】

【ルクス=ブレード アナザーへ!】


 これは一体……


「これは、この剣が出しているんだ」

「そうなのか?」

「そうそう、そうなんだ……本当に意味だけ伝わってくる」


 あ、会話が成立している……


『よくわかないけど、問題解決?』

『……まだ分からない、様子見が必要だと思う……』




「それで……確認のためにもう一度聞くけど、ケル……なんだよな?」

「ああ……私が、私たちがケルだ」

「私、たち? もしかして……」


 さて、長い話になるな。

 覚悟はいいか、二人とも。


『全部正直に話すしかないよね』

『……それしか、ない……せっかく話せるようになったんだから……』


 嫌われるかもしれない。

 けど、これ以上嘘を重ねたく……もう彼を騙したくなかった。


「私たちのことから……話をしていいか? かなり長い話になるんだが……」

「構わない、話してくれ」

「まず、私たちの一族は……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ