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2

 クレープは焦っていた。

 上は相変わらず薄桃色の寝巻きのままだったが、下は邪魔臭いという理由で脱いで捨て置いた。本当なら身軽な着衣に着替えたい所ではあったが、脅威はすぐそこまで迫っていた。時間が無い。

 薄い、すべらかな生地のシャツからすらりと伸びた美しい脚線。陶器のような白肌は汗ばんでいて、細い首筋に纏わり付く金糸が艶かしい。

 上がる息に肩が大きく上下する。

 彼女は自室のある1102号室を後にして共有廊下に出ていた。エレベータは使えないので、深闇に支配された階段室へ向かう。重たい扉をなんとか開けて、剥き出しのコンクリートの段を壁伝いに上がる。

 壁に取り付けてある飾り気の無い照明も機能を失っていた。成因であるグローブの、緑色を帯びた淡い発光だけが頼りだ。

 暗がりを手探りで歩を進める。

 しかし、裸足で踏みしめる地のなんと冷たい事か。


 気配を察知し、無理やり借りた……というか、奪いとったグレープの身体は、お世辞にも快適とは言えなかった。

 居心地が悪すぎる。

 頭から足まで……髪の毛一本一本から手足の爪の先端、細部に至るまで満遍なく絡み付いた魔力の鬱陶しさはさながら、全身がだるく、火照っている。動けば動くほど頭が逆上せたようにボォッとして思考力を削ぎ落してゆく。

 息が切れ足元がふら付き、移動もままならない。

 このままでは――

(クレープさん……!)

「黙ってて……っ」

 歯軋りして、クレープはなんとか屋上への階段を上がりきった。

 暗黒の隙間から、薄明かりと冷気が差し込んでいる。冷たいノブをしっかりと握りしめ、全身を使って重たいドアをなんとか開ける。

 錆付いた音と共に、一気に視界が開け――高く浮かんだ月のみが照らす薄暗闇の舞台にクレープは立った。

 堅牢な造り、見晴らしの良さがとりえの十一階建ての古マンションの屋上は、想像よりも随分な広さだった。


 ひんやりとした夜風に乗って、幾つかの生臭い気配がする。

 既に闇に慣れていた目を凝らすと、目前に四体の何かが居るのは判った。

 闇に溶け込んでその姿までは見えない。だが、目にするまでもなくそれが何であるか、クレープには容易に想像がついた。

 舌打ちする。

 下へ逃げれば、周囲の住民を巻き込んでしまう。この近辺は背の低い建物が並ぶ昔から成る住宅街だ。ドンパチするなら、一際高いこのマンションの上でやった方が賢明だろう。そんな理由で足を運んだ屋上だった。

 近くまで来ているであろう招かねざる訪問者達を、ここで策を練りながら待ち構えるつもりだったのだが……。

 しっかり読まれていたか――

「そろそろ頃合かと思ってな……」

 四体のうち、誰のものともつかない声が闇の中木霊する。

 ……いや、ここはただっ広い屋上だ。木霊などでは断じてない。微妙な遅れはあったが、四体総てが同じ言葉を吐いているのだ。

「陽動は叶ったが、その存在はもはや邪魔でしかない」

「健気に守ろうとしている様は聊か感動的ではあるが」

「それももう終わりだ」

「盾は間も無く消失する。おまえを護る者はもう居ない」

 今度は順に、闇から流れる声。

 夜風に攫われ、柔らかな波を描く金の髪が後ろに靡くと、露となった細面は不機嫌全開だった。

「盾? コイツのこと言ってんの?」

 緑光を纏うグローブを掲げて問う。

「コイツの暴走はアンタ達が仕組んだ事じゃないの?」

「無論、考慮していた」

「その存在目掛けて多種の力を送った」

「ただ、思いも寄らなかっただけだ」

「その存在はもはや純魔族ではない。おまえの手に寄って創られたものだという事に」

 クレープはここでようやく合点がいく。


 事は、『死球』を狙ってのものだと考えていた。

 こちら側の戦力は既に大蜘蛛の記憶を視て熟知していたのであろう。魔族達は、『死球』と『炎帝』、この二つの禁術封石を無力化させる為『魔力の流れを止める石』の暴走を企てた。

 好都合な事に『魔力の流れを止める石(グローブ)』はグレープ――あらゆる魔石を暴走させる性質を持つ少女――の手元にあった。魔族達は対象(グレープ)目掛けてしっちゃかめっちゃかに魔力を送り込み、難なくこの停石空間を作り出す事に成功する。

 そうやってこちらの戦力を欠いておき、危なげなく『死球』を入手するつもりではないか――リタルはそう予想していたし、自分もそうだと考えて疑わなかった。

 だが事実は違うのだ。

 魔族が『魔力の流れを止める石』を暴走させたのには、確かにこちらの戦力ダウンを狙う意図もあったようだが、さらにもう一つ。『暴走を企てた存在』に目を向けさせるためでもあった。

 陽動作戦。そう考えてみれば、四角形の停石範囲――魔族がやけに判り易い位置に立ってこちらへ延々と魔力を送り続けていた事も、その姿を人間や天使に曝していた事にも合点がいく。

 果たしてリチウム達は『実に判り易い脅威』を迎え撃った。魔族的には「思惑通りに事が進んだ」と言ったところだろう。丁寧な誘導はリチウム達を足止めする為に他ならないからだ。

 後は、一人になった無防備な対象(じぶん)を狙って――そうやって魔族達は首尾よく、本来の目的を成す予定だったのだろう。

 だが、とある事実を見落としていた為にそれは叶わなかった。

 『魔力の流れを止める石』は、純粋な魔石ではない。グレープが進化させて出来た石……もはやそれは魔石――元魔族とは異なる存在だ。

 恐らく魔族は、魔石の力を打ち消すなんらかの手段を持っていたのだろう。だが、『魔力の流れを止める石』が純粋な魔石ではなかった為に、その手段は無効となった。

 加えて、『魔力の流れを止める石』の力は、彼ら魔族の持つ力よりも上だったようだ。魔族の力は『魔力の流れを止める石(グローブ)』の力に呑まれ、結果、これだけ無防備な自分に対し魔族はこれまでなんの手出しも出来なかった。

 もしも逆であったなら……このグローブに仕込まれた『魔力の流れを止める石』よりも魔族の力が上であったなら、既に自分はココにはいなかっただろう。


 もう一つ気づいたことがある。

 事態に気づいた魔族達は、グレープへの魔力の供給をすぐに絶ったはずだ。

 なにせ、誘導作戦が成功した今、魔力の供給を続けても意味が無い。それどころか、そのおかげで当初の目的が達成出来ない事態に陥ってしまっているのだから。

 だが、魔力の供給を絶たれた今、この状況でも『魔力の流れを止める石』は未だに発光、発動を続けている。おかげで、狙われている自分は魔族に囲まれながらもここまで無事だった。

 これは一体どういう訳か。

 そう。『魔力の流れを止める石』は、ただ送り込まれた多種の魔力に反応して暴走していた訳ではない。

 ソレは、敏感にも感じ取った脅威に対し、荒ぶる魔力で不器用に、ただ主を護っていただけだったのだ。

 グレープを。

「……へぇ、そう。だから今頃になってノコノコ現れたって訳ね」

 相手をあざ笑うように浮かべた、クレープの冷ややかな微笑。それは彼女をまるで別人のように仕立て上げていた。口調こそ普段の彼女のそれだったが、細く開いたルビーの瞳からはどこか威厳のようなものまで感じる。

 上の存在が下々の存在を見るような目つき。だがその色はどこまでも気高く、上品だ。普段の、リチウム達の前に居る明朗な彼女を知る者には想像もつかない類の雰囲気をクレープは醸し出していた。

 そんな彼女の様子の変化にさして関心を示す事もなく、

「盾は間も無く消える」

「消えたらその時こそ」

「我が主の命により」

「貰い受ける」

 口々に呟くと、一斉にクレープに飛びかかる四体の黒い影。

 目前に迫ったそれ等の姿は……黒い獣だった。

 黒くしなやかな犬型の肢体に張り巡らされたドス赤い幾千本もの筋。どれも頭部は無い。首には引き千切られたような痕があった。

「~やれるもんならやってゴランナサイっての」

 静かに吐き捨てると、クレープはその場で軽く跳躍する。優雅に靡く金色と軽い素材で出来たシャツ。細足は、何かに包まれるように宙に浮いた。……なんとかいけそうだ。

 黒獣達の太爪が、彼女が先程まで居た位置を大きく抉る。

 獰猛なそれらはしかし、薄桃色の生地を引き裂いただけで着地に至った。当然その結果に納得せず、黒獣達はすぐさま獲物の後を追う。

 地を這うような低空飛行でクレープは屋上を進んでいた。無残に切り裂かれた上着。肩口や横腹、所々で白い肌が見え隠れする。

「ごめんグレープ、後で弁償するわ」

(そんな事はいいんです、でもクレープさん……)

 集中の妨げになるとでも思ったのか(実際そうだが)、途中で口ごもるグレープ。

 皆まで聞かずとも、グレープの言いたい事はよくわかる。

 『魔力の流れを止める石』は未だ彼女の手で僅かに発光、辺りを支配していた。このまま対魔族用の盾として頑張り続けてもらいたい所ではあるが、そのおかげでクレープの浮遊もいつもの半分以下のスピードしか出せず、体を体調不良が纏わりつく。

 四体の犬型魔族相手にこれは厳し過ぎた。

 空を目指せばすぐさま横槍が入り、屋上を飛び出そうとすれば即座に行く手を遮られてしまう。闇の中、目にも止まらぬ猛攻を延々とかわし続ける事以外に生き残る道は残されてなかった。

 体力は徐々に削がれていく。持久力と運とが物をいうなんとも分が悪い戦いだった。

 いや、こちら側に反撃の手段がないこの状況は戦いとも呼べない。もっと一方的な暴力――狩猟である。差し詰めこの身は森の中の鳥獣の類か。

 酸素が足りない。呼吸器が痛い。

 痛い。痛い。

 痛い。……血や内臓が、今にも口から飛び出してきそうだ。

 白肌に刻まれる無数の傷。この身を切り刻もうと目まぐるしく繰り出される八本の爪。激しい動作に目が廻る。

 ぐらぐらと。重心が上手く取れずに、さらにぐらぐらと。避けているというよりはもはや自身の重みや反動で振り回されているといった感覚。ダンスでも踊らされているようだ。

 制御の難しさに堪らずクレープは屋上に降り立った。浮遊時よりも、さらに執拗に襲い狂う獣と痛みの中、なおも回避を続ける。

 縺れる足。鮮明な痛覚とは裏腹に意識が朦朧としてくる。気を抜くと今にも倒れてしまいそうだ。諦めその場に膝を付く――絶望しか示さない選択肢が今はとても魅力的に感じられた。

 動くのを止めたい。足を止めてしまいたい。重力に身を委ね、倒れて寝転がりたい。誘惑に駆られそうになると、クレープは気丈にも頭を左右に振ってはそれらを追い出す。

 ……ああ、吐きそう。

(……さん! クレープさん、代わって下さい! このままじゃクレープさんが……っ)

 内でグレープが必死に自分を呼んでいる。一体いつから叫び続けていたのか。鈴音はいやに遠くの方から聞こえてくる。

「……どんくさいアンタが回避なんて、できるわけがない……デショっ」

 辛うじて、クレープは声を絞り出した。

 自分と瓜二つの彼女は……相も変わらず何も解っていない。

 それこそ、相手の思うツボなのだ。

 なんせこの魔族達は、痛めつけて自分を追い出そうとしているのだから。

 足が言う事を聞かず、派手に転倒する。全身を駆け巡る激しい痛みに舌打ちした直後、なんとなく横に転がってみる。起き上がってはふと歩こうとしていた方向とは別の方向に歩いてみる。動く度に全身を支配する痛覚を完全に無視する……無視しきれずにガクっとバランスを崩す。

 こんな調子でここまで致命傷を避け続けてこられたのが自分でも不思議でならなかった。

 だが、この際、まぐれでも奇跡でもなんでもいい。

(クレープさん……!!)

 ……まだだ。

 このコは、渡さない。

 ……渡してなるものか。

(~クレープさん! 上!!)

 ぼやけた意識を切り裂くグレープの絶叫。咄嗟に顔を上げたクレープの視界を四つの黒い塊が覆った。

 南の空に浮かんでいたはずの月が、黒く塗り潰されて見えない。

「……ふざけ……っ」

 横に跳ぼうと重心をかけた脚の傷が響いて、クレープは大きくバランスを崩しその場に倒れた。

 横たわった華奢な肢体を容赦なく襲う太い爪。

「ダっサ……」

 己を罵りつつ、黒い塊を映した赤い目は――未だに諦めてはいなかった。

 まだ、オワリになんて、しない。

「……する、もんか……!」

 刹那。

 錆びついた重音を、どこか遠くで聞いた。

「~クレープ!!」

 飛び込んできた声は、重厚な空を切り裂く鮮やかな閃光のように意識を奪い、惹き付けた。

 今にも魔族が己の身を――そんな状況さえ完全に飛んだ。

 身を起こしその姿を視界に入れようとしたが、瞬時に温かさに襲われて――それは叶わなかった。

 きつく抱き竦められ、宙に浮く。

 懐かしい匂い。しっかりと包まれるその心地よさに、あれだけ死守していた意識が簡単に落ちそうになった。

 永遠のような一瞬。

 が、すぐに着地の無情な衝撃が全身を襲う。

「――大丈夫か!?」

 その身は汗濁だった。

 力強い二本の腕。

 上下に激しく動く肩。

 自分を貫く、厳しい黒の瞳。

「トラン、ちゃん……」




 ――両手を地に着き、下に敷いた傷だらけの少女を見る。

 乱れた金髪。汚れた頬。荒い息に、細い肩が激しく上下している。

 いつも強い光を灯しているルビーが痛々しい程その輝きを半減させて……そんな双眼が弱々しく自分を見上げていた。

 すべらかな薄生地は無残に切り裂かれ、肌を覆う面積の方が少ない程だった。曝された白磁には大小深浅様々な傷が刻まれ、覆うように鮮血が噴き出している。

 満身創痍のクレープの姿に舌打ちして、トランは即座に動いた。

 すぐ側まで来ていた黒獣を睨みつける。

「くそ……っ」

 部屋から持ってきた金属バットを握り締める。

 ついこのあいだ、学園で球技大会があると話していたリタルに野球を教える為自分で購入したものだ。カーボン製のそれは少年軟式用の名の示す通りに軽量で、少し短い。ボディの赤色とデザインが気に入って購入するに至ったその寸足らずには、いつのまにやら……十中八九リタルの犯行だろうが、全身を銀の塗料で塗ったくられてしまっていた。

 変わり果てたその細身には……これまた一体誰が書いたのやら、やたら迫力のある「闘魂!」の筆文字。

 未だ未使用のそれを目的外に持ち出してしまった事を少し後悔しつつも、トランはグリップをこれでもかと握り締め……何故か頭にこびり付いてしまった「闘魂」の二文字に気合を入れられつつ……。

 最初に飛び込んできた一体を豪快に打ち払った。

 地を転々と転がる一体を尻目に次の方向にバットを振りかぶり黒い塊を地に打ちつけると足で蹴り飛ばす。振り向き様にさらに一閃。さらに一太刀。

 ふらふらとその場に立ち上がったクレープの腕を半ば強引に引き自分の後ろにやると、彼女を狙って飛び掛ってきた黒獣を殴り捨てた。

 握り慣れた感触のそれは思いの外この局面に適していた。確かに少々寸足らずではあるがなにせ扱いやすい。

 攻防を続けながら、トランはクレープを庇いつつ後方へ下がり、やがて、角に辿り着いた。

「……どうしてこっちに……戻って来たの!?」

 責めるような問いが背後から聞こえた。未だにふらふらしているようだったがどうやら話せるまでには回復したらしい。

 しかしクレープの様子を確認する事を自分は許されてはいない。

「リタルが……!」

 息をつく間も無くただそれだけを返すと、

「……あンの小娘……っ」

 クレープが舌打ちした。

「っていうか! こっちのが危険じゃないかっ 助けに来るのは当然……だろ!」

 なおも執拗に迫る魔族を打ち払いながらトランが怒鳴り返す。

「しっかし……なんだって女の子一人に寄って集ってこんなたくさん……! おまえらの目的の『死球』は向こうにあるっての、気づいてないのか……!?」

 クレープが押し黙った。




 トランの背中を、荒い息遣いのまま見つめる。

 トランが来ても……そりゃあ嬉しかったは嬉しかったのだが……意味がないのだ。

 なんせこの屋上は『魔力が発動出来ない地』の中心だ。トランだけでは『炎帝』を発動させる事は出来ない。

 もしもトランではなくリタルがこちらに来ていたら『転位』でリチウムと合流出来たのだが――来なかったということは、あっちはあっちでやる事があるのだろう。

 ……リタルがもし、気づいたとすれば。

 いや、十中八九、敵の真意にも気づいたのだろう。だからトランをここへ寄こした。

 だとすれば自分達はこのまま、黒獣の攻撃にただ耐え忍ぶだけだ。

 だが……。

「トランちゃん。『炎帝』使ってみて」

「え、だって……」

「いいから」

 訝しげな表情のままトランが『炎帝』を発動させるべく左掌を突き出す。

 と、一瞬、申し訳ない程度に火が出た。

 コンロで言うと弱。バーナー程度のか弱い炎といったところか。

「……あれ?」

 不思議がるトランを横目にクレープは自分の手元に視線を移す。

 僅かに発光しているグローブ。だが、先程直視した時よりも、光が弱い。

 ……リタルが気づいて。あちらへ行く事が出来たとしても恐らく――

「間に合いそうにない、か……」

 観念したように溜息をつくと、改めて自分を護る様にして立つ目前の背中を見た。

 せめて。

 トランだけでも、安全な場所に――

「トランちゃん!」

 呼ぶと、彼が振り返るのを待たずにその背中に抱きついた。

「は? ~な……っ!?」

 素っとん狂な声が上がる。

 クレープがトランに抱きつくのは日常茶飯事の事。さすがにトランも慣れつつある、のだが。普段のそれとは訳が違う。実体――感触があるのだ。

 思いっきり狼狽するトランの意味不明な発言を無視して。

「……いくわよ」

 決意と覚悟の含まれた静かな声と、次の瞬間にはトランの絶叫。

 高く――速く。さらに高く。

 二人は夜空に舞い上がった。

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