絶体絶命?
今だ、体長調整中にてなかなか更新出来なくてすいませんm(_ _)m
「…なぁ、シア」
「なんですか、彩」
「これが絶体絶命というやつか」
「かもしれませんね」
現在の状況→複数の魔物に囲まれて絶体絶命。
事の発端は草原でクエスト対象の薬草を採取してた時のこと…
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「昴ー、ヤート草ってコレ?」
「んー、ちょっと違う〜」
昴指導の元、目的の薬草を探しているのだが。如何せん、草原と呼ばれるだけあって色々な草花が咲き誇っているこの場所で見たこともない薬草を口で説明されてもイメージがわかない。
「昴、これですか?」
「これも違う〜」
「キゼロさんにヤート草の見本でも見せてもらえばよかったかな」
あの人、魔法使いらしいから薬草のストックくらい持ってそうだし?
「ヤート草の見本かぁー。僕の家には図鑑があるんだけど、持って来てないんだよね〜」
「野草図鑑的な?」
「そうそう、キノコ図鑑とか魔物図鑑とかもあるよ?」
「マジか、今度見せてくれ」
「もちろん!」
「ほら、口ばかり動かしてないで手を動かしなさい、手を」
「「はい、お母様(笑」」
昴にもう一度、ヤート草の特徴を聞いてみると葉は大葉によく似ていて葉脈が紫色、茎の長さは5cmほどで棘がある。そして、今の季節は白く小さな花が咲いているらしい。
「(大葉、大葉、天ぷらにすると美味いんだよなー)」
「彩。いくら似ていようとヤート草は毒草です、食べたら死にますよ?」
「うん、食べないけど。なんで、僕が食べ物のこと考えてるって分かったし」
「勘です」
「どんな勘!?」
「あ、あったー! これがヤート草だよ」
「おおー! どれどれ…」
はいっと手渡されたヤート草は説明された通りの見た目で天ぷらにすると美味しそう。ただし、切られた茎から滴り落ちる液はなぜか紫色で……。
「ちょ、昴! 何この紫色の液体は!」
「それはヤート草の汁なんだけど、毒性が強いんだ〜。気をつけてね」
「うぇー、マジか…」
紫色の汁が肌に触れないよう昴が持ってきた採取用の袋へ入れてる。
「よし、ヤート草の実物をしっかり目に焼き付けた所で採取再開だー!」
「「おー!」」
植物は同じ場所に群生することが多いので最初の一つが見つかればあとは簡単。
「あったあった。やっぱ、近くにあるもんだな」
「そうだね〜。種が届く範囲で育つことが多いから」
「彩。ここにもありますよ」
「サンキュー、シア」
本数を数えながら、サクサク採取していく。ちなみにグラキシアはヤート草見つけると知らせてくれるというポジションについてもらった。棘のあるヤート草なんて咥えたら口の中が傷だらけになるし、毒性の強い汁を体に入れるわけにはいかないからだ。
「えーっと、コレで15本?」
「うん。あと5本で報告に戻れるよ!」
「じゃ、さっさと終わらせてお昼食べに戻ろうぜ」
「そうだね〜、僕もうお腹ペコペコだよ〜」
雑談しつつも手を休めない昴は流石というべきか。私も負けてはいられない!
「昴、ここに」
「ありがとう、グラキシア」
「いえ、私は私にできることをやっているだけですので」
ニコニコと笑い合う二人を尻目に残る1本を探す。
「あ、あった!」
「っ!? 彩、危ない!」
「えっ!?」
危険を知らせるグラキシアの声に動きを止める。
「シュー……」
魔物の微かな息遣いがすぐ近くで聞こえる。いつの間にこんな近くまで来てたんだ!? 全く、気がつかなかった!
「チッ!」
辺りを見渡しても魔物の姿は見えない。どうやら、草原に群生する背の高い草の中に身を潜めているらしい。魔物を刺激しないようにゆっくりと後ずさり、昴と背中を合わせる。
「多分、隠れてる魔物はシュターラだと思う。単独で狩りするタイプの魔物だよ、この草原はよく生息してるんだ」
「へぇー、じゃあレベルも低いってこと?」
「相手の攻撃パターンさえ、覚えれば対した敵じゃないよ」
「なるほどね…」
戦闘初心者の私にとっては厄介な相手って事か…。
「彩君は下がってて。僕が相手をする」
導鈴の柄に手をかけた私を制して、昴が前に出る。
「僕が戦ってる間にシュラータの動きをよく観察して備えといてね」
「僕は!」
「彩。まずは相手の出方を探りましょう」
私は守られなくとも戦える。そう言おうとした私を今度はグラキシアが引き止める。
「っ…、分かったよ」
そこまで言われたなら、引き下がるしかないじゃないか。
「それじゃ、行くよ!」
昴が腰の針ケースから数本の針を取り出し構える。
「シューー、シャァァァ!」
それと同時に左方向から魔物が襲いかかってきた!
「ハッ!」
「ガッ…」
間髪入れず放たれた針は魔物の眉間を貫き、魔物はヨロヨロと地面へ落ちて動かなくなった。シュラータと呼ばれた魔物は体長150cmはあろうかという大きな蛇。
「………もう終わり!?」
「あはは、急所を狙ったからね〜」
昴曰く、自分の戦い方は長期戦には向いてないのだという。使用できる針の数が限られている事と殺傷性の低さから常に急所を見定め、一撃で終わらせられるよう心がけているらしい。
「シュー………」
「なっ!?」
「おい、この魔物は単独で狩りするんじゃなかったのか!?」
「単独という数ではありませんね、これは……」
虎視眈々とこちらを狙う無数の目。
正確な数は分からないがおそらく10〜15匹ほどだろう。ゆっくりと間合いを詰め、私達を取り囲む。
「…なぁ、シア」
「なんですか、彩」
「これが絶体絶命というやつか」
「かもしれませんね」
そして、冒頭に戻る。




