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はぐれ召喚師の気まぐれライフ  作者: 柚子ポン酢
23/34

お弁当大捜索!

更新が遅れてごめんなさーい(泣


「えっと、そもそも持って来てたの? 僕らと会う時には持ってなかったけど」


「うん、持ってたはず。で、召喚の儀をやる前までは持ってたと思う」


「じゃあ、召喚の間なのかな?」


三人で頭を捻りながら、お弁当の在り処を推測していく。それにしても、あの部屋。召喚の間っていうのか…。


「けど、あの部屋はシエロ先生が施錠しちゃって入れないよ」


あの厳重な扉を突破するようなピッキング技術は持ち合わせていないのだが、どうすればいい?とグラキシアを見ると呆れた目で見られた。


「ピッキングしなくても、職員室に行って開けてもらえばいいじゃないか」


「そうだね。シエロ先生も戻ってると思うよ!」


職員室って、どこぞ?といった顔をした私にケリーと昴が笑いながら案内すると言ってくれた。


「職員室は一回だからこのまま、階段を降りよう」


「えっ。職員室って、あの迷路の先なの?」


「迷路って、ちゃんと道を覚えれば何とかなりますよ」


「初日には無理だ………」


あからさまに嫌そうな私に苦笑いしながら、階段を降りていく二人と二匹。私も置いていかれないようについていく。


「階段降りて右が中庭で左が職員室に続く道なんだ」


「へぇー。シア、迷子になったらよろしく」


「少しは自分で覚えなさい!」


「まあまあ、彩は初日なんだし、そうカリカリしなさんな」


「僕も入学から一週間くらい迷子になったなぁ~」


みんなと雑談しつつ、階段を降りてすぐを左へ。


「職員室はここから真っ直ぐ行けばいいだけだからそんなに迷わないと思うよ」


「おおー!」


とりあえず、中庭から教室への道と教室から職員室までの道は覚えられそうだ。


「少し急がなきゃ、ご飯を食べる前に昼休みが終わっちゃうかも〜」


「「「「「急ごう!」」」」」


走らない程度に早足で職員室へ急ぐ。

どうやら、職員室はそんなに離れていなかったようですぐに辿り着くことができた。

軽くノックをしてからドアを開け、シエロ先生を探す。


「すいませーん、シエロ先生はいらっしゃいますかー?」


まだ、入学していない私に変わって、昴が先生を読んでくれたのだが。


「シエロ先生なら、新入生を探すとかいってさっき出て行かれたところだよ」


「うっわぁ、行き違いか…」


「分かりました、ありがとうございました!」


ドアを閉めて、みんなで顔を見合わせる。


「まさか、シエロ先生が彩君を探してるとは思わなかったね」


「流石に予想してなかった」


「どうしましょー?」


シエロ先生の居そうな所を思い浮かべるが、召喚の間か教室くらいしか思い浮かばなかった。


「うーん。とりあえず、中庭に行きませんか?」


昴が言うには召喚の間へ行く道と教室、職員室に行くためには必ず中庭を通るらしい。少なくとも、奥まった所でじっとしているよりはシエロ先生も私を見つけやすいし、私達も見つけやすいだろうとのこと。


「なるほど〜。ここでじっとしてても埒が明かないし、中庭にならケリーと昴はお昼たべられるから一石二鳥だね」


「食いっぱぐれるよりは全然いいね。彩君にもおかずとか分けてあげればいいだけだし」


「じゃ、中庭に行きましょ♫」


中庭へはさっきと逆方向に真っ直ぐ進めばいいので簡単だ。


「それにしても、彩君って忘れっぽいの?」


しっかりしてそうなのにっとケリーが不思議そうに聞いてきた。


「いや、忘れっぽいというか手に持ってた物の存在を忘れて、他のことをするために物を置くと置き忘れる」


「そりゃすげーな」


「彩……。まさか、ここまで忘れっぽいとは(泣」


悪びれることなく、素直に私の忘れっぽさを伝えるとタヌラークが感心し、グラキシアが泣き崩れた。そこまで、悲しまなくてもいいじゃないか……。


「これからは私がしっかりしなくては!私が!」


泣き崩れたと思ったら今度は自分を奮い立たせるようにブツブツと何かを呟いている。感情の変化が激しいなぁー。


「でも、そんなに忘れっぽいと色々大変だね。忘れ物とか」


「うん。手に持ってたタオルとか傘はことごとく忘れるし、たまに大きい荷物でさえ忘れかけるからヤバイ」


「僕も気がついたら声かけるよ」


「同じく」


「頼むわ」


私以外のメンバーの心が一つになったところで中庭に到着。


「さて、中庭に着いた訳だが。どうする?」


「お弁当食べる」


「それをつまむ」


「シエロ先生の気配を探しつつ、木陰で休みます」


「僕はサラサを呼ぼうかな」


「自由気ままだな。そして、昴のパートナーは見たい!」


知り合った人の中で召喚獣を見てないのは昴のみ。どんな召喚獣なのか、とても気になる。


「仲良くしてくれると嬉しいな! それじゃ、行くよー? サラサ!」


ポコポコと水が湧き出る音が静かに響き、空中に大きな水の球が現れた。そして、激しい水の音と共に現れた一匹の淡い水色の体に深い青で描かれた紋様を身に纏った綺麗なイルカ。


「綺麗…」


「ふふ、ありがとうございます」


サラサと呼ばれたイルカはふわふわと空中で水の中と同じように泳いでいる。水がない場所でイルカが現れたのでどうするのかと思ったら、宙に浮くんだな。


「サラ。新しい新入生の彩君だよ」


「初めまして、僕は辻鞍 彩。こっちはパートナーのグラキシア。よろしく」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


ツルツルとした頭を撫でさせてもらいつつ、友好を示す。私はもふもふも好きだがイルカとかクジラとかも大好きだ!


「彩君、彩君」


「んー? 何〜、ケリー」


「ものすごく楽しげにサラサを撫でるのはいいけど、根本的な問題が解決してないよ」


「………あ」


サラサとの衝撃的な出会いに大切なことを忘れてた。


「お弁当、どうしようかなー」


あと、リムさんとアムさん特製の手提げ袋も。

解決しない問題に俯き、ため息を漏らした、その時。バサリと風を切る羽ばたきと共に現れた一つの影。


「ゼファー?」


「探したぞ、彩」


なんで、ゼファーが私を探してるんだろ?あ、シエロ先生に頼まれたのか。


「どうしたの? 僕に何か用事?」


「うむ。お前にこれを渡しとかねばならんと思ってな」


「えっ?」


ゼファーから手渡されたのは私が忘れ去り、探し回っていた手提げ袋。


「なんで、ゼファーが持ってるの?」


「うむ。実はな………」


ゼファーがこの袋に気がついたのは召喚の儀の真っ最中。しかも、グラキシアの力が漏れ出して、部屋が急速に冷え始めた頃だったらしい。このままではお弁当が冷えてしまうと危惧したゼファーは袋を持ち帰ったらしい。


「(ゼファーが帰ったのは寒かったからじゃなかったのか)」


「だが、昼休みになり、シエロにお前の姿を探させたのだが見つからなかった」


「僕もお弁当を忘れたことに気がついて、みんなと職員室に行ったんだ」


「そうか、行き違いになってしまったのだな。昼休みが終わってしまう前に見つけられて良かった、しっかりお食べなさい」


「うん。お弁当、冷えないようにって持って帰ってくれてありがとう! ゼファーも食べる?」


このお弁当はゼファーが守ってくれたのだから、お礼しなきゃとゼファーをお昼に誘う。


「ならば、しばし待て。シロエを連れてくる」


「はーい」


今日はシロエ先生も加わってのお昼だ!







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