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はぐれ召喚師の気まぐれライフ  作者: 柚子ポン酢
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パートナーはもふもふでした←


「っ、眩しっ・・・」


闇が砕け散った後、視界が真っ白に染まった。恐らく、強い光を浴びたせいだと思うんだけど物凄く眩しい。


「彩、大丈夫?」


「うぅ、なんとか・・・」


目を擦り、視力を戻そうとするがなかなか戻ってくれない。


「こら、目を擦ると傷が付きますよ! おやめなさい!」


「えー、だってさー」


言い付けを聞かず、目を擦る私に痺れを切らしたのか、グラキシアが近づいてくる気配がした。


「ベロンっ!」


「うっわぁ!?」


頬から目の辺りまでを湿ったものが撫でた。例えるなら、犬に口元を舐められた時と似た感じだろうか?


「これで少しは見えるでしょう」


「・・・君、誰?」


いつの間にか床に座ってた私の目の前にいたのは立ち上がれば私よりも大きいだろう青い毛並みをした狼。


「おや、さっきまで話していたのにもう忘れてしまったのですか? 物忘れ激しいんですね〜、彩は」


「いやいやいや、そこまで激しくないよ!? 昨日の晩御飯を思い出せないくらいだよ!?」


「十分じゃないですか! まだ、若いのですからしっかりなさい!」


「今は若い人でもアルツハイマーになるんだからね!?」


・・・あれ? さっきまで話してたって言ったよね? ということは・・・


「グラキシアなの?」


「そうですよ」


満足げにふさりと尻尾を振るグラキシア。無性にもふもふしたくなる毛並みしてますな。


「君、狼だったんだね」


「狼は嫌いですか?」


そういった途端にぺしょんとなる耳と尻尾にもうテンションがヤバイ。


「むしろ、大歓迎! 触っていい!!?」


「逆撫ではしないでくださいね、ムズムズしますから」


「イエッサー!」


ふぁぁぁあ! サラサラのツヤツヤ!

いつまでも触っていたくなるこの感触、ずっと触っていてもひんやりしてて気持ちいい!もう病みつきです!

今までのキャラ崩壊とか気にしている場合じゃない。


「おーい、お楽しみ中悪いんだけど」


グラキシアの毛並みに夢中で意識が遥か彼方へ吹っ飛んだ私を誰かが呼び戻す。


「んっ? あ、シエロ先生」


「忘れてたよね! 今、絶対に忘れてたよね!?」


ごめんなさい、本気で忘れてました。

そういえば、忘れてたけど召喚の儀の最中だったんだよね。グラキシアの姿を見て色々吹っ飛んでたよ、危ない。


「よいしょっと」


グラキシアの背中に手をついて立ち上がったのだが。


「うわっ!?」


ツルッとしたものに足を取られ、床へと逆戻りしてしまった。


「彩!! 気をつけなさい!」


私の体が床と衝突する前にグラキシアが床と体の間に滑り込んで衝突を防いでくれた。


「うぅ、ありがとう。でも、なんで?」


グラキシアに支えられたまま、座り込み、周りを見渡す。

よく見ると床の表面に薄い氷のような膜が張っている事に気がついた。


「多分、その子の力のせいだね」


「グラキシアの?」


「私の属性は氷です。恐らく、彩と契約した時に力が漏れ出してしまったのでしょう」


へぇー、グラキシアの属性は氷属性なのか。夏場とか引っ付いたら冷んやりしそう。


「しかし、召喚の儀で召喚師と違う属性の召喚獣と契約するなんてなかなか無いことなんだよ」


「そうなんですか?」


先生曰く、召喚の儀では召喚師となる者と同じ属性の召喚獣と契約するのがほとんどなのだそうで。

何故なら、自分と反対の属性だと反発したり扱えないといった問題が発生するからだ。


「まあ、彩君の場合。水と氷だから、そこまで難しく考えなくていいかもしれない」


「水は氷となり、氷は水になりますもんね」


「そう。同じ物から出来ている物を操ることは出来るから」


じゃ、心配ないねとグラキシアと顔を見合わせる。


「さて、彩君」


「はい」


先生が姿勢を正したので私も姿勢を正し、先生の目を見る。


「君は無事に召喚の儀を突破し、今この時を持って召喚師となった。これからこの学校で沢山のことを学び、体験して自らの力にして行ってください」


「はい!」


しっかりと返事をした私に満足そうに頷き、差し伸べられる手を掴み、立ち上がる。いつの間にか、足元の氷は溶けていた。


「・・・あれ? 先生、ゼファーは?」


「ああ、あいつ?」


部屋の隅にある止まり木に止まっていたはずのゼファーの姿が見えず、思わず、先生に尋ねる。


「あいつは俺が凍えてるのに構わず、自分が寒いのが嫌だからって早々に帰ったよ」


薄情者とばかりに止まり木を見つめる先生にグラキシアと顔を見合わせ、ちょっと笑った。


「さあさあ、外へ出よう!」


先生はまだ寒いのか両腕を摩りながら、扉のあった場所へと近づき、壁に触れる。すると、壁から扉へとサッと変わった。


「案外、簡単に戻るんですね」


「鍵を持ってる者が触れると戻る仕組みになってるのさ」


チャラっと鍵束を揺らし、扉から出て行く先生に続いて部屋を出る。


「あっつ!?」


「うわぁ、予想以上に外は暑いな」


部屋の外はめちゃくちゃ暑かった。

それだけ、部屋の温度が下がっていたということなのだろう。


「あー、暑い。さっきの部屋に戻りたい」


「俺もそうしたいのは山々だけど、これから授業の準備があるから鍵閉めるぞ〜」


先生は開けた時と同じように沢山の鍵を使って扉を施錠して行く。


「あぁー、せっかくの涼しい部屋が〜」


「彩、わがまま言うんじゃありません。そんなに暑いなら、私に触れていなさい」


「はーい」


そっとグラキシアの毛並みに触るとやはり冷んやりとして心地よかった。


「ふぁー、冷んやり。気持ち〜」


はいはいっとばかりに尻尾で背中をぽんぽんされる。


「よし、これで戸締りは終了!彩君はいいな〜、涼しそうで」


「いいでしょー、あげませんよ」


「ははっ、俺にはゼファーがいるから良いんです!」






彩ちゃんのパートナーのグラキシア登場です!

大分、彩ちゃんのキャラが壊れましたが大丈夫です、多分すぐに冷静に戻ります←

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