表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1 月曜日・朝

 


    朝突然、自分の背中に羽が生えていたらどうします?





 それはいつもと変わらない朝8時15分。

 

 私は、いつも通りの道を歩いて登校する。天気は晴天。悪くない気分。


 いつも通り、まだ静かな商店街。シャッターが開くのは、もう少し時間がたってからだ。私は、ここを歩くのが好きだった。


(今日は月曜日…あー、体育があるや。ダル・…)


 なんて、今日のことを考えながら歩く。すると、その商店街の店のうちのひとつから、悲鳴が聞こえた。


 しかも、なんだかとっても聞き覚えのある。


(…これは。)


 わたしは不信感を覚えて、音の発信源に顔を向けた。この声は、確か、私の幼馴染のそれの筈。





「……………おはよう。ミエ。」


 私の予感は大当たりしていた。確かに悲鳴を上げたのは、私と付き合いが長いそいつで、私が家(正確にはお店から入ったのだけど)に入ると、奴は自分の部屋でシンデレラみたいに膝と両手を畳につけて、おまけにおでこまで地面に近くして絶望のポーズを取っていた。 


 この顔、知っている。この商店街の唯一の古本屋に住んでいる一人息子の原田卓也。


 確かにそいつは原田卓也の顔をしていた。体つきも、声の調子も確かに、昨日学校で会った時のままだ。はらだたくや。


 けれど、私がそいつを原田卓也と認識するのには、ちょっとした障害があった。


 それは、卓也の背中についている羽のようなもの。物体。

 


 そう、私はいま、原田卓也という人間の姿をした天使を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ