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第六話 詐欺師和田

『助けて下さいっ!!』


友達の吉川からの電話でまず最初に聞いた言葉はそれだった。

事の次第がまだわからないところにさらに悲鳴に似た声が届く。

『僕の友達がっ、、、出れなくなって!!多田さんなら助けられると思って!!』

いまだに話がつかめない。

出れない?俺なら助けられる?

いったいどういうことだ、、、

「とにかく落ち着くんだ。何があったのか詳しく教えてくれ」

俺は慌てて庄一と和田にも聞こえるように、スピーカーに切り替える。

するとさっきまでパニックに陥っていた吉川は冷静さを取り戻した声で始めから説明し始めた。




吉川が一通り話終えるとみんな重苦しい雰囲気で誰一人として口を開く者はいなかった。

話の内容は思っていたよりも酷い内容でさっきニュースで見た内容そのものだった。

しかし何より残酷なのは、吉川の友達も被害者だということだ。

ようやくその沈黙を振り切ったのは驚いたことに庄一だった。

「助けてやろうや?」

実は俺も今そう思っていたところだった。

「でも、どうやるの?」

和田が当然の疑問を口にする。

「そのBCPとやらを使うしかなさそうだな」「ああ、お前ら持ってるか?」

「うっ、、、、」

そこでまた黙り込む。

「あっ、そういえば」

そこで和田が何かを思い出したようだ。

「私の友達にゲームショップの店長がいるんだけど、頼めば格安で売ってくれるはずよ」

他人との関係を絶ちながら生きてきた俺達にとってその言葉は嬉しくもあり、現在も継続中の黒歴史を否定された気分でとても良い気分にはなれなかった。

「まあ、そういうことなら頼んだ」

「ええ、任せといてっ!!」

「吉川、聞こえるてるか?」

『はいっ!!』

すると即座に返事があった。

「俺達は助けることに決めたから安心するんだ」

『ホントですか!?よかったぁー、ありがとうございます』

今までの緊張が解けたのか吉川は今度こそ安心した声になった。




翌日俺と庄一がアパートで待っているとドアが勢いよく開き、そこには手に大きな袋を持った和田がいた。

「おっ、それは!!」

俺と庄一が興味津々な顔で詰め寄る。

「五万八千円九百九十円」

「今、金欠やねんけど、、、」

「じゃあ返品してくるけど?」

「、、予想はしてた」

来た道を引き返そうとする彼女を庄一と俺が薄い財布からなけなしのお金をかき集めどうにか引き止めることに成功した。

「毎度ありぃー」

なんとなく彼女の機嫌が良さそうなのは気のせいだろうか。

「二万円儲けちゃった(はぁと)」

おい、、まさか、、、

「やっぱりか!!」

格安で売ってもらった割には店で買うのと大差ない値段だったからもしやと思っていたが、、、

「まあまあ、落ち着きなさい。今は販売が禁止されているBCPをゲーマーのツテで手に入れてきてあげたのよ?何割か値段増して売っても文句はないでしょ。」

これが商売ってもんよ、と最後に付け足した。

「くっ、、、」

俺達は心に決めた―――必ずこの女から金を返してもらおうと(もちろん利息付きで)




とまぁ、カクカクシカジカありまして、ようやくゲームの準備が整った。

見た目は顔全体を覆い隠せるほど深いヘルメットにしか見えない通称BCPが3台並べられている。

「ところで、、これどうやって使うんや?」

「えっ、引きこもりなのにゲームを知らないの!?」

「そこまで驚かなくてもええやん、、、」

どうやら引きこもりは否定なさらないようだ。

「普通に頭に被るだけでいいんだよ」

「じゃあ見ておきなさい」

そう言うと和田は床に横になり、何の躊躇いもなく頭にゲーム機を被った。

すると脳波をキャッチしたBCPの側面に就いていたLEDライトが赤から緑に変わった。

そして彼女の体から力がふっと抜けた。

「お、、おい、、あいつ大丈夫なんか?」

「ああ、今はゲームを楽しんでるだろうよ」

「そ、そうか」

どうやら庄一はこのゲーム機にかなりの恐怖感があるようだ。

「とにかく俺達も行くしかないだろ」

「あ、ああ、、そやな」

俺は予め持って来ていたUSBフラッシュメモリをBCPに差し込む。

「それはなんや?」

当然のことながら、庄一は驚いたように聞いてくる。

「BCPはスクリーンショットとかのデータを外部メモリに移すことができるんだよ」

実は俺もこの事実は昨日知ったばかりで大急ぎでフラッシュメモリの中身を空けてきたのだ。

よく見るとゲーマーの和田も当たり前ようにつけていた。

「俺も念のためにつけとこかな、、」

庄一も机からフラッシュメモリを取り出すとゲーム機に装着させる。

「ほんだら行こか!!」

「おう!!」

和田に続いて俺と庄一も魔のゲーム機を被ったのだった――――

今回はかなり短めでっせ~。

たぶん僕が投稿した中でも断トツで短いです。

まぁ理由は簡単で、キリが良いからですね。

次回からはゲーム内での物語になっていきます。

はたしてみんなが挿していたフラッシュメモリはただの保存用なのか、それとも―――。

次回からは、ハッカー、クラッカーらしい話の展開になっていくと思うのでご期待を。

投稿日は未定です完全ランダムです遅いですww


話しは変わりますが「ボーカロイドが家にやってきました」と「select my limb」のほうもよろしくぅ~。

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