ワシントンD.C.、約束の招待状
一輝の手元に、重厚な羊皮紙に記された一通の招待状が届く。差出人は、アメリカ上院の重鎮であり、次期大統領候補の筆頭とも目されるジョン・ハリソン上院議員。
かつて一輝がロサンゼルスの裏社会で戦っていた頃、誘拐されたハリソンの愛息を、一輝がたった一人で組織を壊滅させて救い出した。その時、ハリソンが涙ながらに誓った「この命、いつでもお前に預ける」という約束が、今、国を動かす大きな歯車となったのである。
「一輝、ハリソン議員からのプライベートパーティーの招待だ。……アメリカは、中露の暴走を機に、完全に日本との『核廃棄・共同パートナーシップ』に舵を切った。これはその最終確認だな」
機内で資料を確認する晃一が、感嘆の声を漏らす。
「ああ。だが、タダで手は組まない。……アビー、例の『ギフト』の準備は?」 「完璧よ、ダァド。核融合エンジンを搭載した、世界最小・最強の『超電磁誘導レールガン』の試作データと技術供与契約書。……これを見せれば、大統領も椅子から転げ落ちるわ」
ハリソン議員の邸宅でのパーティーを中座し、一輝は議員の案内で、密かにホワイトハウスの「オーバルオフィス(大統領執務室)」へと招かれた。
日本の首相から全権を委任された、一民間人。その前代未聞の会談を、ハリソンが自らの政治生命を懸けてセッティングしたのだ。
「大統領、彼が私の息子の命の恩人であり、いまや世界の運命を握る男……神龍寺一輝です」
ハリソンが誇らしげに紹介する。
一輝は、現職大統領の鋭い視線を受け流しながら、一通の契約書をテーブルに置いた。
「大統領。貴国が核兵器を完全に廃棄し、日本の核融合ネットワークに加わるなら……我がグループが開発した次世代防衛兵器『レールガン』の全技術を、アメリカ軍にのみ供与する」
大統領の目が大きく見開かれる。
「レールガンだと?……理論上は可能だが、小型化と電力供給が不可能だったはずだ」
「我が国の『地上の太陽(核融合)』があれば、戦艦から戦車まで、あらゆるプラットフォームが『絶対的な盾と矛』に変わる。……ミサイルの時代は終わりました。アメリカが日本の番犬となるなら、世界最強の牙を授けましょう」
数時間後。一輝は大統領と、そしてハリソン議員と、固い握手を交わした。
アメリカが核を捨て、日本の技術とエネルギーをバックボーンとした「通常兵器の絶対王者」へと脱皮する。
これにより、中露が付け入る隙は完全に消滅した。一輝の描く「世界の中心・日本」を、アメリカという巨大なパートナーが支えるという、最強の布陣が完成したのだ。
「一輝……お前は、この国さえも自分のチェス盤の上に乗せたのか」
ホワイトハウスを去る際、ハリソンが感極まった表情で一輝の肩を叩く。
「ハリソン、俺が望むのは平和ではない。……俺の家族や友人が、誰にも脅かされずに笑える『絶対的な安寧』だ。そのために、アメリカの力が必要だった」
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原案100%筆者。
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