聖夜の審判 ― 神龍寺本邸、凍てつく再会
12月24日、午後7時。
広大な敷地を誇る神龍寺本邸の正門には、「イージス」の黒塗りの車両が並び、上空ではアビーの操作するドローンが不可視の警戒網を敷いていた。
大広間には、現当主・光弘、その妻・和美、そして悦司、佳奈子、和泉、美玲、さらに一輝の傍らを離れないアビーが集結していた。そこへ一輝にエスコートされ、絵美里と玲子が緊張した面持ちで足を踏み入れる。
「――さて、今夜は特別な賓客を招いている」
一輝の低い声が響くと同時に、大広間の重厚な扉が開いた。
そこには、一輝がアメリカから呼び戻した男、財津晃一が立っていた。
「……晃一君!? なぜ……君は死んだはずでは……」
光弘が立ち上がり、驚愕で声を震わせる。光弘にとって、晃一は「一輝の知人」という認識であり、同時に自分の息子が裏社会と深く関わっている象徴のような存在だった。
晃一は光弘の視線を冷徹に受け流し、迷いのない足取りで一輝の隣へと歩み寄った。
「光弘さん、お久しぶりです。……だが、俺を地獄から引き揚げたのは、神龍寺の名でも、あなたでもない。俺の唯一の『兄弟』、一輝だ」
晃一は、光弘の目の前で一輝と固い握手を交わした。その光景は、血の繋がった親子である光弘と一輝の間に横たわる、決して埋まらない溝を際立たせた。
「光弘さん。あんたは神龍寺という看板を守るために、どれだけの『個』を切り捨ててきた? 金田や上海のネズミ共が俺の娘や玲子を狙っていた時、あんたはどこで何をしていた」
晃一の静かな怒りが、広間の空気を氷点下まで下げる。
「一輝がいなければ、今頃俺の娘は汚され、俺は異国の土になっていた。あんたが『息子は野蛮だ』と蔑んでいたその武力と知能が、あんたの預かり知らぬ場所で、どれだけの命を救ってきたか、知るべきだ」
光弘は言葉を失い、一輝の背中を見つめるしかなかった。自分が「出来損ない」と決めつけていた息子が、自分を遥かに凌駕する「王」として君臨し、世界中の英知と武力を束ねている現実。
沈黙を破ったのは、アビーだった。
「ねえ、湿っぽい話はそこまで。今日はダァドが用意した最高のお祝いなんだから」
一輝の合図で、豪華なディナーが運ばれてくる。
テーブルの一方には、一輝、アビー、そして晃一、絵美里、玲子という「戦火を潜り抜けた魂の家族」。もう一方には、光弘や和泉といった「血縁の家族」。
その二つの家族が、一輝という軸を中心に一つの食卓を囲む。
「……光弘さん。俺は神龍寺を継ぐが、あなたのやり方は継がない」
一輝はワイングラスを掲げ、父の目を見据えた。
「俺は、俺を信じる者を守るためにこの力を振るう。……晃一が戻った今、神龍寺グループの膿は、今夜中にすべて削ぎ落とす」
アビーが指を弾くと、広間の壁面に巨大なホログラムが投影された。
「ダァド、プレゼント。……たった今、上海シンジケートの全拠点の通信と資金、そして彼らと内通していた神龍寺グループ内の『裏切り者』たちの全証拠……完全にパージ(抹消)したわ」
驚愕する一族の前で、一輝は不敵に笑った。
「これで、障害は消えた。……晃一、玲子、絵美里。そして悦司、佳奈子さん。……これからの『黄金の帝国』を、共に築いていこう」
光弘は、自分の息子が作り上げた「新しい世界の秩序」を前に、ただ静かに首を垂れるしかなかった。
外では雪が激しさを増していたが、神龍寺本邸の中には、一輝が守り抜いた者たちの温かな灯火が、何よりも強く輝いていた。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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