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銀髪の天使と血の誓い ― ロサンゼルス・モノローグ

 六本木の夜景を背に、一輝は琥珀色のウイスキーを揺らしながら、記憶のおりに沈んでいった。




 中国での過酷な武術修行を終えた一輝は、若さに任せてアメリカへと渡った。ロサンゼルス、リトル東京。財津晃一と再会し、彼を狙う不穏な影を払っていた頃、運命の交差点に差し掛かる。


 パーク・ラ・ブレア。夕刻のオレンジ色が街を染める中、一台のフェラーリが狂ったような速度で交差点に突っ込んできた。

 一輝の目の前を、小さな銀色の影が飛ぶ。


「危ない!」


 刹那、一人の男が少女を突き飛ばし、代わりに鉄の塊に跳ね上げられた。フェラーリは焦げたタイヤの臭いを残し、血を流す男を一瞥して逃走した。一輝は即座に携帯で犯人の車を連射し、通報を終えると男に駆け寄った。


 男の名はマシュー・ムーア。虫の息の彼は、駆け寄った一輝の手を必死に握りしめ、掠れた声で最期の願いを遺した。


「頼む……娘を……アビゲイルを……助けて……欲しい……」


 握られた手の力が抜け、その瞳から光が消えた。それが、一輝とアビゲイルの「契約」だった。



 病院の一般病室。頭部の打撲から目覚めた少女に、一輝は非情な現実を告げなければならなかった。


「……父さんの顔を、見に行こう」


 霊安室へ向かうアビゲイルの足取りは覚束なく、一輝はその細い身体を抱えるように支えた。ストレッチャーに横たわる父親を見た瞬間、少女は崩れ落ち、獣のような嗚咽を上げた。一輝は何も言わず、ただ彼女の震える背中を撫で続けた。


「これからのことは、お父さんに頼まれた俺が何とかする。任せてくれるか?」


 アビゲイルは涙に濡れた瞳を一輝に向けた。その瞳の青く澄んだ色は、日本に残した弟・悦司に酷似していた。


「おじさんは、パパの友達……?」

「ああ。パパが俺にお願いしたんだ。だから信じていい。……アビー、君の『新しいパパ』になれるよう頑張ってみるよ」


 退院の準備をする際、カーテンの向こうでアビーは躊躇いもなくホスピタルガウンを脱ぎ捨て、全裸になった。一輝はその透き通るような白い肌、染み一つない美しさに息を呑むと同時に、彼女の身体に刻まれた包帯の痛々しさに胸を締め付けられた。


「(この無垢な魂を、誰が傷つけたのか……)」


 一輝は親父から渡されていたブラックカードを無造作に提示し、高額な医療費を一切の迷いなく支払った。



 アビーの自宅での共同生活が始まった。彼女は天才だった。両親から受け継いだAI開発の才能。だがその知能ゆえに学校では孤立し、いじめに遭っていた。


「ダァド……一緒にお風呂、入ろう?」


 幼い頃からの習慣だという彼女に手を引かれ、一輝は戸惑いながらも浴室へ向かう。日本式のユニットバスで、一輝はアビーの華奢な背中を泡立てたスポンジで優しく洗った。


「今度は、あたしが洗う番」


 アビーは正面から一輝の胸に手を伸ばす。未成熟ながらも膨らみ始めた二つの果実、そして銀色の陰毛に隠された秘部。アビーは一輝の逞しい躰を小さな手で包み、慈しむように洗う。


「パパと同じ匂いがする……」


 湯船で一輝の膝の上に跨り、厚い胸板に耳を寄せて寝息を立てるアビー。一輝はその温もりを感じながら、自分の中の「欠けていた何か」が埋まっていくのを感じていた。



 月日は流れ、アビーは一輝の全面的なバックアップを受け、MIT(マサチューセッツ工科大学)に飛び級で合格する。そして日本の春。一輝は彼女を正式な「養女」として神龍寺家へ連れ帰った。


 広島への家族旅行。満開の桜の下、厳島神社の朱色に映えるアビーの姿。


「お兄ちゃん、この子本当に可愛い! 私のファンだなんて嬉しいわ」


 和泉と打ち解け、悦司や佳奈子にも「新しい家族」として受け入れられたアビー。


 夕食の席、父・光弘が問う。


「アビー、君はこれからどうしたい?」

「おじいさま。私は、ダァドを助けるためのプログラムを完成させたい。それが私の生きる理由です」


 19歳、MIT三年生。その可憐な少女の胸の内には、一輝を守るための巨大な知能AI「ティアラ」が静かに産声を上げていた。



会長室。

 ウイスキーの最後の一口を飲み干し、一輝は立ち上がった。


「雅美、アビーを迎えに行く準備を。……彼女が来れば、この『レギオン』は完成する」


 雅美は深く頭を下げた。アビーの過去を知る彼女にとって、その再会は「家族」の絆を再確認する儀式でもあるのだ。


「承知いたしました、会長。……今夜は、アビゲイル様の大好きな、あの日本食を用意しておきます」




この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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