断罪の会議室と、黄金の休日
11月6日、金曜日。午後三時。
清菱女子学園の会議室前には、異様な緊張感が漂っていた。一輝は黒のロングコートを翻し、傍らにロゴスウェットをシックに着こなした玲子を伴って現れる。その姿は、職員棟へ向かう帰宅部の生徒たちが思わず足を止め、魅入ってしまうほどに絵になっていた。
会議室の扉が横柄に開け放たれる。入ってきたのは、主犯格三名(岸辺・長谷部・下北)とその親たちだ。
「うちの娘がそんなことするはずがない!」
「学園への寄付金を忘れたのか!」
権力を嵩に着て喚き散らす親たち。だが、一輝がその鋭い眼光を向けると、騒いでいた者たちは一瞬で喉を詰まらせた。181cmの長身と、地獄を渡り歩いた男が放つ威圧感。一輝が三人の生徒を冷たく射抜くと、彼女たちは怯えたように目を逸らし、椅子の陰に身を隠した。
「財津さん、小会議室へ」
呼び出しを受け、一輝、玲子、絵美里の三人は、学園長や理事が居並ぶ「審判の場」へと入った。
「付き合いはありましたが、脅されて仕方なく従っていました」
絵美里の絞り出すような告白。教頭が一輝を訝しげに見る。
「……随分お若いようですが、貴方は?」
「父・財津から絵美里の保護を託された者です」
一輝が懐から取り出したのは、単なる名刺ではない。神龍寺家の紋章が入ったカードと、彼が統べる金融グループの重み。その「金バッジ」の重圧に、学園側の態度は一変した。
その日のうちに、権力で揉み消そうとした三家族には非情な現実が突きつけられた。岸辺・長谷部・下北の三名は「自主退学」。絵美里は形式上の停学五日間(土日の補習で代替)という、事実上の完全勝利であった。
翌、土曜日。
一輝は絵美里を黄金のセンチュリーに乗せ、補習のために学園へ送る。
「頑張って勉強してくるね。お兄さん、二時限目が終わったらお願い!」
「ああ、中華でも食べに行こう」
二時限目が終わる頃、一輝が駐車場へ迎えに行くと、そこには絵美里とアンジェラ、そしてもう一人、見覚えのある少女がいた。
「お兄ちゃん!」
声をかけてきたのは、高級料亭『木野幸』の娘、清佳だった。
「清佳か。久しぶりだな」
「えへへ、英語が赤点で補習だったの。お兄ちゃん、紹介して!」
一輝は、親友の娘である絵美里を紹介し、そのまま清佳も連れて横浜へと車を走らせた。
一時間後、横浜中華街『來萬楼閣』。
真紅の個室で待っていたのは、香港マフィアの重鎮、宋霆泰と、その孫娘・美玲だった。
「一輝、よく来た。……龍一から話は聞いているぞ」
和やかな食事の裏で、一輝は龍一から頼まれた「裏切り者の一億奪還」を霆泰に依頼する。
二日前に大学からの親友で本願院組の若頭で組長の息子である龍一からの電話で、組に背き破門になった男を敵対する組の幹部と居る所を、罠にはめて警察に逮捕させるつもりだったが敵対する組の幹部は捕まったが、破門になった男は組の裏切り者の手引きで組の金一億を持って、裏切り者と共に海外(香港)に密航する所までは知れたが香港マフィアには手が出せず、香港に知り合いの居る俺に相談してきた。人には知られていないが横浜には香港マフィアの支部がある。
「懸賞金一億か。……引き受けよう。上海の連中には気をつけろと龍一に伝えておけ」
国家間のパワーバランスを左右するような密談が、点心を頬張る少女たちの横で広東語で淡々と進む。
食後、話は美玲の学園編入へと及んだ。
「美玲も来週から清菱に通わせる。一輝、お前の実家に下宿させてやってくれ」 「爺ちゃん、うちは女学院だぞ。……まあいい、絵美里と一緒に面倒を見よう」
そのまま、地下の道場で美玲とアンジェラの武闘試合が始まった。
イタリア海軍特殊部隊仕込みのアンジェラと、八極拳の達人である美玲。
「はっ!」
カンフー服を翻し、雷鳴のような踏み込みを見せる美玲。アンジェラの鋭い格闘術と火花を散らすが、最後は両者とも床に大の字に。
「二人とも、筋がいい。……俺が鍛えれば、もっと化けるな」
一輝の言葉に、霆泰が満足げに頷く。
「一輝、この子たちの師匠になってやってくれ」
一輝は別れ際、手のひらサイズの桐箱――『長生不老の薬』――を霆泰に手渡した。
「老いぼれには早いかもしれんが、これでも飲んで長生きしてくれよ、爺ちゃん」
愛車・センチュリーに戻った一輝は、助手席にアンジェラ、後部座席に絵美里、清佳、そして美玲を乗せ、黄金の軌跡を残して横浜を後にした。
背後に残された学園の「不浄」はすでに消え、一輝の周りには新たな、そして最強の華たちが集まりつつあった。
この作品はAI40%、筆者60%で書きました。
原案100%筆者。
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