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黄金の守護者とクリームイエローの怪物


 如何にもチャラい見た目の男二人が、十代後半の少女二人の前に立ちはだかる。


「ねえねえ、そこの彼女たち。いいトコ知ってんだけど、遊びに行かない?」


 下卑た笑みを浮かべ、値踏みするようないやらしい視線を向ける。無視して通り過ぎようとした少女の肩を掴もうとした瞬間、その手首が鋼鉄のような握力で封じられた。


「スカウトなら他を当たれ。この二人は俺の連れだ」


 割り込んだのは、仕立ての良い背広を着た男、神龍寺一輝だった。


「てめえ、どこの馬骨だ!」


 殴りかかってきた拳を左の手のひらで平然と受け止める。もう一人の相棒が威嚇しようと一輝の襟元を掴みかかったが――その指先が、襟裏に隠されるように留められた「金バッジ」に触れた瞬間、男の顔から血の気が引いた。


 それは、全国に名を轟かせる広域組織暴力団の最高幹部のみが許される、本物の黄金。一輝が親友である組長の息子から「東京での護符おまもり」として贈られた、裏社会の絶対的なパスポートだった。


「……ひっ、申し訳ありませんでしたッ!」


 相棒に耳打ちされた男は、掴んでいた拳を震わせながら引き抜き、逃げるようにその場を去っていった。


 一輝は何事もなかったかのように、後ろに隠れていた二人の少女に振り返る。


「そこに車を停めてある。送っていくよ」

「おじさん、ありがとう」


 父親の親友として気知れた仲の財津絵美里が声をかけると、一輝は苦笑いした。


「叔父さん呼びはやめてくれ絵美里。これでもまだ三十半ばだ」

「十七のうちらからしたら、立派なおじさんでしょー? 雫」


 同意を求められた親友の木下雫は、一輝と目が合うと、頬を染めて視線を伏せた。


「おじさん……かな。すいません」

「せめてお兄さんにしてくれないか」


 一輝は少し拗ねた顔を見せながら、ポケットの電子キーを操作した。


 アンサーバックの音とともに闇に浮かび上がったのは、特注のクリームイエローメタリックに塗り込められた、重厚かつ妖艶な輝きを放つ「センチュリー・ワールドプレミアム」だった。


「あっ、これパパがすごく欲しがってた車だ!」

「先週納車されたばかりの新車だよ。この色は世界に一台だ」


 先ほどまでの凄みはどこへやら、一輝は子供のように鼻を高くしてドアを開ける。


「……なんていう車ですか?」


 車に疎い雫が、その圧倒的な存在感に気圧されながら尋ねると、絵美里が代わりに答えた。


「おじさんの自慢の一品。すごく高いけど、乗り心地は最高なんだって」


 二人は最高級のレザーシートに包み込まれ、車は滑るように新宿の夜へ滑り出した。


 新宿駅前のロータリー。雫が指差した先には、彼女の家の迎えである黒塗りのセダンが停まっていた。


「お兄さん、ありがとうございました」


 雫が車を降りると、セダンから慌てて出てきた秘書の岡田が、一輝の顔を見るなり硬直した。


「……おかだ君、久しぶりだね。元気かね」


 一輝が窓越しに声をかけると、岡田は転げるように自車の後部座席へ駆け戻った。


 直後、ドアが開き、中から出てきた木下社長が一輝の車の前まで走ってきて、深々と頭を下げた。


「……会長様! ご無沙汰しております。まさかこのような場所で……!」


 街灯の光を反射するクリームイエローの車体と、父が平伏する「お兄さん」の姿。  その光景を見つめる絵美里の瞳には、これまでとは違う強い光が宿っていた。

(……この人の持つ『力』なら、今の私の悩みも……)


 静かに決意を固めた彼女を乗せ、黄金のバッジを隠した男の車は、再び夜の街へと動き出した。



この作品はAI40%、筆者60%で書きました。

原案100%筆者。

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