現実1
ジリリリリリリリリリリリリリリ・・・!!!
鳴り響く目覚ましの音。
「・・・夢?つーかまた???」
目覚ましの音で目が覚めた。
説明します。
先程までの‘鬼ごっこ’らしきものは夢です。
困った事に。
18歳の誕生日を迎えてからずっっっっと見てる夢。
何度も何度も何度も何度も・・・・。
お蔭で寝た気がしない!
夢の馬鹿!!
つーか疲れたぁ~~~~。
「ふぁぁ~」
欠伸をする私。
眠い。
とりあえず、まだ一度も捕まってないから偉いぞ私!って感じなんだけど。
何で繰り返し繰り返し、追いかけられる夢を見るのかは分からないんだけどね!
本当に何でだろうね?
目が覚めても内容はしっかり覚えてるし。
何度も見れば覚えてるもんだって?
はじめてみた時からだよ。
夢って普通、忘れてそうなのにね?
それが、しっかり覚えてるんだよね。
それを考えると不思議だらけ。
「着替えるかな・・・」
私は着替え始めた。
そう言えば、自己紹介まだだったよね?
えーと名前は相田美緒。初めまして。
肩に届くチョコレートの様な色をした天然のウエーブがかっている髪が特徴的よ。
目はクリッとした二重。うん、アイプチ使わなくて済むからラッキー♪
一応、可愛らしい顔立ちに入るのかな??
綺麗形じゃないのは確かだけど(泣)
肌が白いからピンク色系の服を着る事が多いかな。
実際に、今着ているパジャマもピンク色だしね!
最近18歳になったばかりの女子高校生!
受験だろう?って、そこは黙ってて!!
紺色の制服に着替えた私。
さてと、学校に行きますか!!!
勿論、朝ごはんを食べてからね。
***************
そこら辺にある普通の学校。
私の家から一番近い学校で、徒歩で通える距離にある。
勉強も運動もそこそこ。特徴があるといえば桜。
校門近くの枝垂れ桜の木が開校前からあるらしく、見事な大木。
その後を続くように桜の木が、校門から昇降口に向かって木々が立ち並ぶ。
しかも両側!!!
春はピンク色の桜の花のトンネルが出来るの!!
すっごく綺麗。
高校生になったら絶対通ってやるって決意したの。
入学式は本当に泣きそうになった。
だって、念願の桜トンネルよ?!
幸せ。
しかもこの学校。
校舎の裏は八重桜もあるの!!
その所為か、学校名よりも「桜の木が凄い高校」と有名で、一層の事「桜高校」と改名した方が良いんじゃないかと思う。
実際、一部の人々から「桜高」と呼ばれてたりするしね。
「おっはよ~!」
「おはよう」
学校に着くと美緒に笑顔で挨拶する友達。
腰まである黒い髪をポニーテール。真っ直ぐで羨ましい・・・・。
名前は金村真紗子。
紺色のブレーザーと赤いリボンの制服が良く似合う大人っぽい子。
「あら~。今日も良く眠れなかった様子ね。眉間にシワ♪」
真紗子には夢の事を話してるの。
私ってば「また夢が!!!」って、思うと不機嫌になる。
「・・・真紗子?」
真紗子は私の眉間をぐりぐりと指で押す。
痛いから!!!
「いい顔♪きっと明日にでも眉間のしわ固定確実ね~」
「嫌よ!!!」
「ほほほほほほ。素敵よ♪」
私の反応が大好きらしく、朝から弄る。
「絶対アンタS!チョ-が付くくらいのS!!」
「ほほほほほほ。心地よい響きだわ~」
「うぅ~!!」
「はいはい・・・。唸らない、唸らない♪」
唸る私の頭を撫でる真紗子。
「・・・また、同じ夢なの?」
「うん・・・黒いモヤモヤに追いかけられる夢」
「ストーカーかしら?愛されてるわね~」
「・・・・真紗子?」
「ほほほほ。冗談よ♪・・・一度逃げるの止めて戦ってみれば?少しは夢が変化するんじゃない?」
どうせアンタの事だから同じ事しかしてないんでしょ?っと。
その通り。
「・・・・」
何か目から鱗ってこういうときに使うの??
ハッとしたよ。
今まで私は逃げるだけだった。
黒い靄に「追いかけてくるな!!」と怒鳴る事すらしてない。
しかし夢。
されど夢。
夢の登場物と戦うと言うのも可笑しな話。だが、これ以上同じ夢が続くのは苦痛。
やらないよりはやってみよう!!!
「やってみる!!!」
打倒黒い靄!!!
手に入れるぞ!安らかな夢!!!
「・・・・だからって、今から寝ようとしちゃ駄目よ?」
「うっ」
何で分かったの?