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夢見合い  作者: 湖真子
14/15

現実12

暗い闇。

どこを見ても真っ暗な闇の世界。

不思議と恐怖を感じる事がない暗闇。


あぁ…いつもの夢の中。


いつも見ているから直ぐに分かったの。

そー言えば、話の途中で私は寝ちゃったんだっけ?

…確か‘夢つなぎ’だっけ? って事は誰か現れるって事??

そう思ってると後から肩を叩かれたの。ぽんぽんっと、軽くだけど。

「へっ?」

今までドロー以外で捕まる事が無かった私がこの世界の中で直ぐに触られた事に驚いた。

叩かれた方を見ると頬に何かが刺さる。

「え??」

えええぇぇぇぇぇぇぇ!!??


見覚えのあるウエーブのかかった髪の毛に、宝石のような輝く瞳。歳を忘れたんだろうなぁ…と言いたくなる年齢不詳の肌。そしてフリフリのレースがついた洋服を違和感なく着こなしていた。

それは、母だったの!

母の人差し指が私の頬に刺さった状態を見て、満足げな顔をして見る母の姿に…力が抜けそうになった。

とりあえず、動物もどきでなくて良かったと言うべき?

「うふふ。美緒ちゃん」

「えーと…母?」

本当にこれは母?

いつも現れるのは動物もどきなので、疑う私。

「もう!‘母’じゃなくて‘ママ’よ?」

あー…正しく母だ。

小学生の頃、母のことを‘ママ’と呼んで同級生に馬鹿にされて以来、私は‘母’と呼んでいるの。普通なら‘お母さん’とかになるんだけど…当時の私は‘マ’を‘は’に変えただけって言う意識しかなかったの。

‘はは’なら馬鹿にされないし…で、今でもその癖が抜けずに‘母’と呼んでいる。

すると、母は‘ママ’と呼ばれたいらしく、私が‘母’と呼ぶと毎回、訂正が入るの。それを8年間言い続けているのである意味合言葉。


「宅配便を受け取って美緒ちゃんの部屋に戻ったら、居ないんだもの。驚いたわよ?」

って事は…。

座薬を免れたって事!?

バンザイ私!! いやいやそうじゃなくて、そうでもあるけど!

先程までの事は現実で、その証拠に私は部屋から居なかったって事になるよね?

「レイオから連絡あって良かったわ~。夢を使っての行き来は不慣れな者がやったら危ないのよ?」

ちょっ! 母と知り合いだったわけ??

ビックリする私。

「さぁ、帰るわよ」

「…えーと慣れてるの?」

さっき危ないって言ったよね?

つーか私は夢を使って行き来したって事? あーもしかして、ドローが掴んだ時に起きたアレ?

「プロよ♪」

「はぁ?!」

まじかいっ!!!

……母は何でも有り。何でも有り。うん。疑問に思ったら負け!

「しかもココの空間は‘夢つなぎ’よ。道が初めから出来てるんだもの失敗はしないわ~」

「何でそんなに詳しいのよ!!!」

‘夢つなぎ’って言葉を何で母が知ってるのよ!? しかも道が出来てるって…。

私の言葉に不思議そうな顔をする母。

「製作者はママよ? 当時10歳だったかしら~」

そう言って首をかしげる母。

はぁぁぁぁ???

母が作ったの?

えぇぇ?

「こんなのあったら面白いわよね~て、思いながら色々弄って試してみたら出来たのよね~」

そんな簡単に出来るもの?

「………」

……母は何でも有りだったわ…。

常識に囚われたら母と付き合えない。頭が可笑しくなる。それが母という人物。

疑問に思っちゃダメ。

何でも有り、何でも有り…っ!!

何度も私は心の中で唱えたの!

「……」

しばらくして、猛烈にレイオさんとドローに今すぐ謝りたい衝動に駆られた私。

一番の非現実者がここに居たわよ!! 母の存在自体がファンタジー!!!


「うふふ。そう言えば…。み・お・ちゃん~。良い殿方と出会ったかしら?」

私の顔を覗き込んで楽しそうに言う。

「へっ?」

良い殿方?

「あら?その様子だとまだなの? 困った子ね~。せっかく頼んでお見合いしてるのに~」

ちょっとまて。

まさか…まさか。

「‘花嫁さんいらっしゃいな♪ まずは身内から策戦プロジェクト!!’は母が付けたの?!」

まずは身内って…私の事?!

「そうよ。バースデープレゼント♪」

ばーすでープレゼント。

そー言えば誕生日から変な夢が続いていた事を思い出した。

今までの夢は母の所為…。

あの迷惑な睡眠妨害(バースデープレゼント)は母の仕業。

「うふふ。素敵でしょ?」

そこには嫌になるぐらいの母の笑顔があったの。

スッゴイ笑顔。

ここでありがとう何て絶対に言えない。



「私の安眠を返せぇぇぇぇぇ!!!!!!」



私の声は闇世界に響き渡ったのは仕方が無い事よねっ!


はい、これであらすじ部分になります。

一応…第一章「夢の中でのお見合いを理解していない編」終了って事で次回から番外編を含みつつ、第二章「夢の中でお見合いはどうなるの? 編(仮)」になります。


ココまで読んで下さいましてありがとうございます。

引き続き、堪能してくだされば幸いです。

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