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11 いざ、ガーデンパーティへ

あっという間にお茶会の日がやってきた。あ~憂鬱。

一応、それなりに着飾ってはみたけれど、どうせタンタルはいつも通り冴えない女とか言ってくるだろうから、ちっとも気分が上がらない。


はぁとため息をついていると、テルルが小走りでやってきた。


「お姉さま! お待たせしました。行きましょう」

「まあ! テルル! とっっても可愛いわ! 天使かしら!?」

「大袈裟ですわよ。お姉さま」


純白にゴールドの刺繍を施したドレスはテルルにとても良く似合っていた。

ゆるく編み上げたピンクブロンドの髪にレースの髪飾りが揺れていて、これはもう天使。

天使以外の何者にも見えない。

ああ、うちの妹は何て可憐なのかしら……!


「お姉さまも、素敵ですわ。淡い空色はお姉さまのお好きな色ですものね。シンプルでとても上品ですけど、アクセサリーはもう少し華やかな物でもよいのでは?」


テルルがこてりと首を傾げた。

やっぱり、わざと小ぶりなアクセサリーを選んだの、分かっちゃったか。


「サマリウム家のお茶会にオシャレしていくの、気が乗らないんですもの。タンタル様はいつも失礼なこと言ってくるし」

「……あの方も、もう少し素直なら応援しても良かったんですけどねぇ……」

「え? 何の話?」

「……タンタル様はとても残念な方だなって」

「そうね! それはすごくそう思うわ!」

「………」


あれ? なんだかテルルが額に手を当ててため息をついてる。

本当に鈍い、わたくしがしっかりしないとって呟いてるけど、どういうことだろう?


そうこうするうちに出発時間となったので、私たちは馬車に乗り込み、サマリウム家に向かった。


侯爵家へ到着すると、私とテルルは広大な庭園へと案内された。

うわぁ、さすが侯爵家。規模が違うわ。

色とりどりの花が鮮やかに咲き乱れ、圧倒される。

そして何より、人数がすごい。ドレスの洪水だ。


これだけのご令嬢を集めるなんて、タンタルって意外とモテるのかしら?

一応学園での成績は優秀らしいし、侯爵家の跡取りだから、人気は高いのかもしれない。

私の方が成績は上だけどね!


私とテルルは、まず招待してくださった侯爵夫人へ挨拶を済ませた。

私たち姉妹とタンタルの因縁は把握しているはずなのに、夫人はなぜか折に触れて私たち姉妹を侯爵家に招待する。


始めは息子を手ひどく振ったテルルと、その原因となった私に嫌がらせでもするつもりかと警戒していたが、夫人はいつもニコニコと私たちに接してくれた。

おかげで、タンタルのことは嫌いだけど夫人のことは好きになったのだった。


今回のお茶会は参加人数が多いので、みんな割と好き勝手にフラフラと庭を散策したりお茶を飲んだりしている。

私がテルルと庭を散策していると、遠目にタンタルが複数のご令嬢に取り囲まれているのが見えた。

お~モテモテじゃ~ん。


一応、母に挨拶だけはしろと言われていたので、タンタルのところへ向かった。

テルルは置いていく。タンタルはテルルに振られてからすっかりテルルが苦手になったので、できる限り顔を合わせないようにしているのだ。


「タンタル様、ごきげんよう。本日はお茶会にご招待いただき、ありがとうございます」

「ふ、ふん! 母に言われて仕方なく招待しただけだ。別に礼なんていらん!」

「ああそうですか。では私はこれで」

「えっ? あ、おい! ちょっと待て!」

「まだ私に何か?」

「い、いや、その……だから、向こうのテーブルで私とお茶を……」


タンタルがモゴモゴと何か言っているが声が小さくて聞き取りにくい。

私がじれったく思っていると、タンタルの周りにいたご令嬢たちがタンタルを急かし始めた。あっちでおしゃべりしましょうよ~とタンタルの腕に抱き着きながら、私の方を睨んでくる。


はいはい。お邪魔虫は去りますよ~と。タンタル、ガンバレ~。

心の中で適当に応援すると、私はテルルの待っているテーブルへ移動する。

最低限の義務は果たしたので、ここからは素敵なお菓子に集中することにした。




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