03話
「まぁ、ここが異世界だと仮定してだ。魔道具があるかどうかはまだ決まったわけじゃないな」
しばらくしてある程度興奮が落ち着いてきた俺はそう
独り言ちる。
実際に異世界物でも、魔道具がない世界だって珍しくないしな。もしこの世界に魔道具がなかったら
「いや、確認もせずに落ち込むのは早いな」
そうだ、まだ俺は意識がハッキリしてから1歩も動いていない。日光に身体を暖められながら土の道路らしき上に立ったままだ。
ひとまず、自分の頭の中で考えられることは考えたはずだ。
が、一応整理しておこう。
1 バイトから帰って眠りについたら異世界(仮)に立っていた
2 視力がありえないほど高くなっていることから恐らく身体に異変がある
3 何故か持っている銅貨らしき物が10枚
4 俺はここが異世界だとするならば魔道具の存在を確認したい
とりあえずこんなものか。
2の視力に関しては今優先度は低いだろう。視力が良くなっていたとして身体に悪影響を及ぼす可能性は低いはずだ。もしかしたら何らかの力を使って身体を強化している可能性もないこともないし、その副作用があとから襲ってくる可能性もあるが。
もしそうだとしてもその力のオンオフを俺は自分の意思で出来ないのだから放って置くしかない。
1の異世界かどうか、3の銅貨らしき物の価値
4魔道具の有無
これらを同時に判明させるにはどうするべきか
「動くか」