01話
俺の名前は山中たつき。
一人暮らしの大学生だ。俺は幼い頃から物語やゲームに出てくる魔道具が大好きだった。所有者の力を増やすアイテムや、魔力を通すと魔法が出るようなアイテム。
現実ではありえないような魔道具の魅力に俺は取り憑かれていた。
そのせいで幼い頃から色んなゲームをする度にクリアそっちのけで魔道具集めに集中して攻略が友達より遅かったりはざらにあった。
まぁ魔道具の知識だけは誰にも負けないくらいの自信はあったから友達によく魔道具の入手場所を聞かれたりしていたな。
最近はVRゲームで新しく出たソフトの魔道具集めに熱中していて、NPCのクエストクリア報酬やダンジョン、PVPで貴重な魔道具を賭けて戦ったりして集めている。
今日もこれから魔道具集めに精を出すためにゲームをやろうかと思ったが
「眠い」
さっきまで生活費を稼ぐためのバイトをしていたせいで身体がとても重たい。
バイト先でパワハラ社員に理不尽に怒られたせいで精神的にも体力的にも限界が来ていた
「流石に寝るかぁ」
あまりの眠たさにゲームは起きてからすることに決めた俺は着替える事もせずに実家から持ってきた愛用のベットに身体を沈めた。
気がつけば俺は見たことも無い所に突っ立っていた。
「ここ、どこだ?」
周りは見渡す限り平原。空は雲一つない晴れ模様でさっきまで家の中で眠っていた身としては少し日差しが眩しく感じる。そして、今俺が立っている踏み固められた土が続いている先には、
「街、だよな」
恐らく街のようなものがあった。
外壁で覆われていて町だと断定は出来ないが、道の先にある門のような場所に門番らしき人や、中に入ろうと列をなして並んでいる馬車や人を見る限りほぼほぼ街だと思ってもいいだろう。
何故、このような場所に突っ立って居るのか
何故、普段なら目視できないような距離の事を詳細に把握できたのか
何故、何故と疑問が次々とぐるぐる頭の中を回り考えが纏まらず。
「やめだ」
分からないことばっかり考えていても仕方ない
切り替えが大事なんだよ切り替えが!
ひとまず今の状況を整理しよう。
さっきまで俺は自宅で寝ていたはずだ。起きてから日課の魔道具集めをするためにゲームをしようと思っていたな。
よし、整理完了。
とりあえずわかったことは
「意味わかんね」
何も分からないことが分かった。