6挿入目
豪華とは粗末な言葉である、と言ってしまいたくなるような空間に聖也はいる。その空間とは魔王城の玉座の間。元の世界の金持ちたちが束になってもかなわないほどの価値ある空間だ。
「おもてをあげよ」
「はい」
重くそして強さが混じるそんな声に反応し返事をし、聖也はうつむく顔を上に向ける。眼前には美しい女性が玉座に座している。その他の者もいるのだが視界に入らないほどに視線を奪われる。まあいうまでもなく、よいこの皆さんはわかっているだろうが、ぼんきゅっぼんである。この女性が魔王カーミラである。
「そなたが伝説のスキルの使い手か?」
「はい、未熟で使いこなすには至っていませんが」
「ほう、ならばこの場で使ってみせよ」
魔王の無茶ぶりに困惑する聖也。
「このスキルは発動したらここがめちゃくちゃになってしまいますがよろしいですか?」
「よい、かまわん、使ってみせよ」
「ま、魔王様いけません、本当に伝説のスキルならば城が粉々になりますぞ!」
側近っぽい者が必至の魔王を止めようとするが魔王は耳を貸さない。
「わらわの〈ブラッドシールド〉とどちらがすごいのか試そうではないか、これを打ち破れぬようなら偽物で良いじゃろ」
「か、鑑定できるスキルみたいなので証明するというのは?」
聖也はこの提案は完璧なものであると思っていたのだが簡単に打ち砕かれる。
「鑑定のスキルはレアでのう、なかなかおらんのじゃ」
空しくも魔王に即否定された聖也の提案。
「わかりました、では城が木端微塵になっても文句はなしですよ?」
「よい!」
「〈疾風迅雷〉!」
聖也は件のスキルを発動させる。それにより聖也は激しい雷光に包まれる。その雷光はアソコ中心に発しているものであり、次第にアソコは巨大化していく。光が強く大きすぎてアソコだとばれていないのだが……。その絶大な光の危険を察知した魔王の部下たちが聖也を止めようとするのだが既に手遅れだった。
「これほどとは……」
魔王は聖也に見惚れてしまうがふと我に返りスキル〈ブラッドシールド〉を発動させ、禍々しい血の障壁を展開する。このスキルはカーミラの最大防御力を誇る自慢の技だ。〈ブラッドシールド〉は幾度も苛烈な攻撃を凌ぎ、魔王をたらしめたものであり、他の魔王もこの技は正面から破った者はいない。
〈疾風迅雷〉を発動させその場を何とか踏み止まっていた聖也だが、一瞬で間合いを詰め、魔王と激突する。激突により轟音が発生し、光と相まって、多くの者が聴覚と視覚が奪われる。
「くっ、ぬっ!」
カーミラは必死に堪えるのだが、周りの壁や臣下たちはあっという間に吹き飛ばされる。つまり魔王は無事でも魔王上は襲撃を受けたような悲惨な状態となっている。
「ふん、ふんふん!」
聖也は速やかに終わらせようと腰を振る。腰を振るたびに威力がましていき、魔王の〈ブラッドシールド〉からガラスが割れるような音がし始める。
「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
カーミラは勿論全力である。しかし、〈ブラッドシールド〉のほころびは増していくばかりであり、もう崩壊は免れない。
「ふんっ!」
聖也の力を込めた途端に魔王カーミラのスキルは打ち破られた。そのままカーミラに聖剣は突き刺さる。
「かはっ!」
カーミラは恍惚の表情となり、蒸発するようにして消えていく。聖也は辺りを見渡すと何もかもなく、正確には瓦礫はあるが、ここが魔王城だったとは信じられない。
「これはあれだ、田中が言っていた『またおらやっちまっただべか?』って奴だ」
聖剣が勇者なしに魔王を討伐してしまった歴史的瞬間である。




