10挿入目
深夜、聖也はアイの用意してくれた自室で眠っている。最近、その自室で不気味な音がするのだ。正直、この城の外観は廃城であり、やっぱり出る。そう思ってしまう。何が出るって? それは幽霊が、だ。そもそも城の主である魔王アイは“骨”である。それなのに動く、しゃべる、飲食可である。紅茶を飲んで漏れ出さない骨には衝撃を受けた聖也だが、まだまだこの世界の神秘ともいうべきこと知らない。
聖也は物音に気付き目を覚ました。まだ、ウトウトとしている。
「ひっ!」
思わず声を出してしまった。それは何故か。答えは聖也のベッドの中に何かが潜り込んでいるからだ。その“何か”は動きを止め身を潜めているようだ。意を決して自らの掛け布団を剥ぎ取り何かを確認しようとする聖也。
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
思わず悲鳴を上げる聖也。
「ひゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
聖也の悲鳴に呼応するかのようの何かも奇声を上げる。
「し、死体いいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃっ!」
なんとのベッドのには白骨死体があったのだ。その白骨死体は禍々しく怨念のようなものが感じられる……というよりもオーラが可視化されるほどである。
「死体とは失礼ですよ、聖也様」
あろうことか死体がしゃべったのだ。聖也を思わず目を丸くしてしまう。状況をよく理解できていないのだ。
「ばれてしまっては仕方がないですなあ、〈ボーン・バインド〉」
魔法だろうか、無数の骨が聖也に絡みつき拘束される。両手は頭の上で拘束されてしまった。なんだかいやらしい。
「ぐっ、おまえ魔王アイっ!」
「ふっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」
「くっ、なんでこんなことをっ?」
「なんで……ですと……こんないやらしい体で私を誘っておいて!」
聖也の質問に対し、聖也の胸部当たる部分を指でなぞり、その後服をビリビリに破り胸部の一番大事なところを甘噛みするアイ。
「あっ、ちょっ、なにをっ!?」
聖也のリアクションに対し不敵に笑うアイ。どうやらアイの目的も他の魔王たちと同じく“聖也”らしい。
「……口惜しい……憎い……ずるい……つらい……かなしい……わたしはこんな見た目になって誰からも愛されない……男が欲しい……愛されたい……」
本音ダダ漏れである。他の魔王のことを欲望の塊と言っておいて、欲望の塊なのはアイも同じである。というかアイ……女だったのかと、衝撃が聖也の全身に走る。どれくらい走るかというと元の世界の地球三周分である。そもそもアイが聖也の身柄を預かることを、他の魔王たちが了承したのは、アイが女性かどうかもわからなかったり骨だから男性に対する欲がないと思ってのことだ。しかし、実際はアイもひとりの女であり、男を求めている。
「なんだ、そんなことか、簡単じゃないか」
「どこが簡単なの、わたしの体はただの骨なのに、無理に決まっているじゃない、バカにしないで!」
アイは激昂する。明らかに本心であり、悲しみも怒りも感じ取れる。骨なのにポーカーフェイスは崩れ去った。
「君が無理だと勝手に諦めて逃げているだけだ、その証拠に君は骨なのに飲食できた、それなら骨の体だって男女一つになれるはずさ」
「!」
――そんなまさか!
アイは一度もそもそも男性と交わろうとしたことがなかったから試したことがなかった。アイは聖也のズボンも切り裂きエクスカリバーを露出させ、意を決して自らに挿入する。
「ぬはっ」
「こらっ、勝手に入れるな!」
「あぅあっあっあっあっあっ、あの流れはしても良いって意味って捉えちゃいますよー!」
アイは喜びと興奮を押させられない。ひたすら腰を上下に振る。とても初めてとは思えない腰さばきだ。あまりにもはやいのだ、流石は魔王、そんじょそこらの女とは格が違う。しかし、そんな杭打ちピストンも聖也には通用しない、伝説のホストの肩書は伊達ではないのだ。
聖也の聖剣がアイの魔力回路に挿入されている姿はシュールではあるが、元の世界にいた男女の営みとは違うということが如実に物語っている。なぜならアイが全身骨のおかげで女性器はないことが明らかであり、尚且つ、聖也のアソコは男性器ではなく聖剣エクスカリバーだからだ。そう、18禁行為でもなければ厭らしい行為ではないのだ。アイにもしっかりと魂の回路が存在しウェポンであるエクスカリバーが挿入できるが、挿入しているとエクスカリバーが別空間に消えているように見える。その別空間に見えるものこそ魂の回路だ。この魂の回路は身体のあちこちにあるものだが、ちょうど女性のアソコあたりにわかりやすく存在し挿入しやすい。この魂の回路と女性のアソコを混同されないように注意されたし。
「ほう、それなら俺についてこれるかな?」
「かはっ、何を、あっあっあっあっあっあっあっ!」
突然聖也は激しく突き上げ始める。伝説のホストの突き、その一突き一突きが必殺の突きである。アイは何度も意識を失い、そして意識を取り戻す。魔王でさえも聖也にとっては御覧の通りだ。
「やっやっやっやめてっ」
「あんなに欲しがっていたのにやめていいんだな?」
聖也はいじわるそうに言う。アイの本心を知っているからだ。本当は欲しくて欲しくてたまらないのだ。
「うそ、もっと、もっとーっ!」
「仕方のないメスだ、だが俺の突きは甘くないぜ! エデンに連れて行ってやるよ! 〈サンクチュアリ〉!」
アイは懇願する。聖也のエクスカリバーを求め続ける。それに応じ聖也のホスト真剣が火を噴いた。それは奥の奥で高速突きするシンプルなものだ。だが、シンプルゆえに凶悪であり、核心を的確に突いてくる。
「……」
アイからはなんの反応もない。すでに果ててしまったのだ。しかし、それでは聖也の猛る想いは収まらない。
「出すぞおおおおおおぉぉぉぉぉーっ!」
白濁魔力液が勢いよく発射されアイの魂の回路を包み込み、その結果としてロケットのようにアイが天井まで吹き飛ばされ、天井に突き刺さる。天井に突き刺さる骸はシュールさを加速させる。
「俺に安息の地はないというのか……」
聖也は深くため息をついた。次から次へと襲いかかってくる女ども。こちらの世界でも女たちは虎視眈々と聖也を狙ってくる。この世界での聖也のたたかいはまだ始まったばかりだ。




