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8.襲撃!硝煙漂う貨物列車

「う、うおおおおおーーーーー!」


男は悶絶して暴れ狂っている。


「う、待ち伏ぜざれでいだだど?」

「いや……ただの偶然……」

「こ、小癪なぁ!」


男が床を叩くと辺りが光出す。フランは血相を変える。


「不味い。増援だ。距離を取れ」

「だろうと思った!もう巻き込まれるのはごめんだ~!」


眩い光とともに現れたのはメカメカしい見た目をした人型のロボットのようなものが2体。手には盾とメイスらしきものを持っている。


「戦闘用自動人形……」

「ロボットじゃん」

「だがかなり古いな。簡単に倒せる」

「特性すら知らないのに……いや、待てよ」


相模は駄目な女神?からもらったスキルを思い出した。ふざけた文章しか吐き出さない分析スキル。


「さあ何の情報を得られるかな?」

《処分場からレストアされた型落ち。保証切れ》

「やっぱ使えねえええこの能力!!!!」

「急にどうした!?」

「関係ない!倒すよ!」


フランは剣で攻撃する。だが相模は再装填するところから始まった。


「倒すと言ったのに攻撃しないのか!」

「装填忘れてた……」

「い、今のうちに」


男はズボンをおろし臀部に怪しげな液体をかる。だが凄い滲みたようだ。


「うぎゃあぁあぁあぁ」

「ポーションで治したか」

「あれがポーション……」

「なかなかに……なかなかに度し難い!」


男は遂に起き上がり反転180度。二人に正面を見せた。


「なんだそのふざけた格好は」

「変態じゃん」


二人がそう反応するのも無理がなかった。なぜなら男はストッキングをかぶっていたのだ。それも顔に。


「初対面の相手に変態とは礼節を欠いてるな」

「いくら強盗でもそれはないだろ」

「まさかそういう趣味?」

「どれだけ馬鹿にすれば済むのだ」


男はその状態で葉巻を吸い始めた。


「え?吸えるの?被りながら」

「ああ。そんなに驚くことかな?」

「何なんだこの人たち……」

「一体何用だ?強盗なら私達の方が先だったな!」

「私を巻き込むな!」


相模はフランとは違うといわんばかりに否定する。


「おや?仲間割れかな?」

「裏切るわけないよね?」

「詰んだ……」


二人に目を付けられた相模は考えることをあきらめる。


「では指輪を頂こうか」

「やはりそれか」

「まさかほかに知るものがいたとは。他からも情報が洩れてるのか」

「一人で企まない限り完全な秘密などありえない」

「……」


フランはいつも通りの自信満々な状態で答える……だが何も知らない。ただその場のノリで返答しているだけ。相模も既に気付いていた。


「だが強盗にしては些か人形が古すぎないか?」


フランは人形2体を指差した。


「ああそれか。経費が落ちないから拾ったパーツで組み立てた」

「経費って……」

「断言できる。アレはまともに戦えない」

「悲しいことに私は弱すぎるから無いよりマシなんだ。ブツはどこにあるのかな?」

「余った腕につけっぱなしだな」

「は?」


相模と男は共に驚く。相模はつけっぱなしなことに、男は腕が余ることに。


「腕が?言葉遊びか?」

「そのままの意味だ。余った私の腕がそこに……どこだ?」


二人は床を見渡すがどこにもなかった。だが男は二人の背後に指をさす。


「……まさか今梯子を登ってる奇妙なアレか?」


二人は急いで振り向くとこの貨車から逃げようとしているフランの元左腕が確かにあった。


「待て!勝手に動くな!」

「やっぱ碌でもないことに!」


二人は捕まえようとするが間に合わず左腕は天井へ脱出した。


「逃すものか!」


フランもジャンプで天井に辿り着き身を乗り出そうとした瞬間……相模が脚に抱きついて引き摺り落とした。


「なに!?」

「ギャー!」


貨車は真っ暗になる。トンネルに入ったのだ。


「……良く気付いたな。土地勘もないはずなのに……サガミ?」

「ウ……」


フランは地面をまさぐる。何かの生き物がびくびくしていた。そして妙に生暖かい。トンネルが明け眩しい日差しが天井から降り注ぐと理由は明白だった。


「あ……」


フランが落ちた時に相模に剣が刺さっていた。


「えっと……大丈夫……か?」

「ちょっと……キツいかも……」

「回復手段はない……となると……」


フランは剣を男に向けた。


「さっきポーションを使っていたな。見逃す代わりにそれを置いてもらおう」

「待ち伏せして好き勝手やった挙句に寄越せとは……断る」

「交渉は決裂か」

「話し合いですらないよ」


フランは拳銃を奪いまた話す。


「時代遅れの護衛では銃弾も防げないだろう?」

「試してみたらどうだ?」


数発の銃弾が躊躇なく放たれたが全て弾かれてしまった。


「なぜだ?」

「私の前には硬化金属ガラスを呼んである。その銃では傷もつかんよ」

「呼んだ……さっきの暗闇の時に召喚したのか」

「理解が早くて助かる。硝煙とはこれまた懐かしいものを」

「ならこちらの大きい銃はどうだ?」


フランは床の隅に転がってた対戦車ライフルを担いだ。


「このアーキバスのようなやつは防げるのかな?」

「それは……対戦車ライフルか?」

「ものは試しだ!」


結果は一瞬だった。フランの一撃がガラスに当たった瞬間にガラスは全部砕け散ってしまった。


「厚さが薄すぎたか……んぬぅ!」

「さてポーションを貰おうか?」


フランは男を壁に突き飛ばしながらドスの聞いた声で話す。


「人形は?」

「既に片した。回復道具はまだあるのだろう?」

「やはり一瞬か。色々と更新しなくてはな」


男はポーションの瓶を取り出した。


「第一種魔法薬のポーション……こんな貴重品……何者だ?」

「注文を増やすのは嫌われるよ」

「!?」


フランは魔法で軽く吹き飛ばされた。


「やれやれ……今回はここでお開きだ。次会った時は色々話をしたいものだね」


そういうと男と人形の残骸は消え去り魔法陣も無くなった。


「さてこれで治ればいいのだが……」


フランは相模に駆け寄った。

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