悪の定義
悪でしか倒せない敵がいるとき、悪に屈しておのが正義を貫くか、それとも悪を貫いて巨悪を打つかどうする?ローゼル?この世に神は必要ないと気づいた日
世界が音を立てて崩れていった
この手の中に残ったのは孤独だけだった……!
「なぜ私だけ……なぜ……どうして……」
「許さない……赦せない……」
「憎い……アイツらが憎い」
「私の正義は何だったのか?」
「私は何者なのか?」
「私はどこへ向かえばいい?」
この世で生きていく術を知らない私にお前は教えてくれたな……?
『自分らしく生きてみろ』と。
あぁ……お前が愛した街を守り抜くことが、今の私が唯一できること……。
『さあ、ここからだ!』
この世界の果てまで突き進め!!
今からでも遅くはないはずだ!この手で取り戻す!あの日々を!あの時間を!
だから今はただ、戦うのみ!そうだろう!?
行くぞ!我らの道を遮る者は全て切り捨ててやる!!!
この世界を平和にしてみせる!!
だからもう泣かないでくれ!君には笑顔がよく似合うよ
君の涙を見ると胸が張り裂けそうになるんだ!
俺は必ず戻ってくる!
必ず戻ってくるから!待っていてくれ!約束しよう!
必ず守ってみせるから、私はこの日悪になった、悪に勝利するには悪になるしかなかったのだ悪を征して巨悪を打った。
結局私という巨悪が残ったこんな世界にしたのは誰だと誰か言った。
その言葉が心に突き刺さった瞬間、自分のやってきたこと全て意味を失ったような気がした……
気づけばいつの間にか一人になっていた
みんながどこか遠くへ行ったようで怖かった
それでも前に進むしかないのだから進むことにした
きっといつかはわかるはずと信じながら……
いつかまた笑いあえるその日まで。
さあ始めようか
新たな戦いを。
覚悟を決めろ!己の意思に従って、信念を掲げろ!
この世の悪を打ち倒し平和にする為!
この身を捧げて戦おう!たとえどんな敵であろうと悪、悪魔は私一人で良い!!!!!!!
私が悪魔ローゼス!!! 世界を管理するもの!!!正義など要らないんだよ!そんなものに縛られるな!!
『自分らしく生きればいい!』
『自分に嘘をつくんじゃねぇ!』
そうだ……思い出した。私の本当の想い……。
あぁ……お前の声を聞くと何故だか勇気が出てくるよ。ありがとう。
もう迷いは無い……今からでも間に合うかな?
あの頃のように、また皆と一緒に笑って過ごすことができるだろうか?
もし叶うなら、私はもう一度お前たちと共に……
『おかえりなさい!』
ああ……ただいま!
さあ行くぞ!我らの未来を取り戻すための戦いが始まる!
勝利せよ!
不思議なことに私のことを神様と言うものが表れてきた、おかしい、私は大切なものを守れなかった悪魔ローゼスだ。なんで神様と私を呼ぶんだ。
私は小さな少女に出会った。
お兄さん、すごく優しい目をしてると言った。
「私の目はもうだめだ、悪に染まった王の目だ、腐ってる、大切なひとも守れなかった悪魔さ」
「お兄さん、あなたがいるから私たちはこうやって生きてられるの、自分を責めないで、もうしばらく自分のために生きて」
「???自分のためにいきるとはどうすればいい??」
「簡単だよ自分を愛すこと自愛だよ、お兄さん!!」
少女はニッコリ笑ったその笑顔は美しかった。
「しかし、自愛とはどうすればいい?わからない」
「自愛とは無理しないことと同義語です、あなたはいつも無理をしすぎた、もうやすんでください」
私の王の目からは涙が止まらなかった。
「悪魔から涙を流させるとは君は何者なんだい?」
「そうだね、王の目から涙を流させる、アタシは神の目をもつ女の子ってとこかな?おもしろいね!」
神の目の少女、私はその瞳を見たとき、何かを感じたんだろう、神の気配というのだろうか、懐かしい感じがした。
それから少女と何度か会い、共に時間を過ごした。いつしか私は、
「神の子ローレ、君のことを愛している」
「えぇ!?//急にどーしたの?//恥ずかしいよ~//」
「すまない、君をみていると、そう言いたくなったんだ」
少女の髪は銀色でとてもきれいだった、それに笑顔が可愛くて守りたいと思った。この子の未来を守ってあげたいと。そして少女が大人になったある日、私たちに転機が訪れた、それは神の信託によりもたらされた。
『我は神の使いである』
「おお、神の子よ!この世界をどうかお救い下さいませ」
『悪魔の王よ!お前の力が必要だ、我々とともに来てくれ!』
私には断る理由はなかった。
そして少女は私についてきた。
『一緒にいこうよ!』
私はその言葉に救われた。
私はずっと忘れないだろうあの日、私の目に映っていた美しいものを
だから決めたんだ!もうこの子は傷つけさせない!と心に誓った。
少女を守るために力を使い続けた、やがて限界が訪れ始めた。体が思うように動かなくなった。少女は泣きながら必死で魔法を使っていた。
「やめろ、君の体はもうボロボロじゃないか……」
「ダメだよ、このままじゃあなたが死んじゃう……」
「大丈夫だ、心配するな……」
私は少女に口づけをした。
「君は本当に綺麗だな……」
私は最期の時を迎えた。
最後にみた景色はとても美しく、私は笑顔を浮かべていたと思う、私は幸せだ、だって大好きな君に出会えたのだから。
もしも願い事が一つだけ叶うとしたら……、そんな事考えてるときに
「お互いもうつかれたでしょう、自愛です、無理をしないこと、あなたと共にもう愛し合った、あとはお互い自愛すれば世界は変わります、今までお疲れ様でした」
「ありがとう・・・」
私たちは涙が止まらないで人間にもどった。
ありがとう世界
よ、私はあなたを赦す。
この手で守るべき者ができたから、大切なものを守る力を私にくれた、それが悪でも……
悪こそ守るべきものだと教えてくれたんだ。
『君を愛してる!』
『私も大好きだよ!』
二人は世界に愛を教えて息を引き取った Happy end




