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物体創造を試してみよう


「パパ、物体創造スキルで剣作れる?」



「おう、やってみるか」



父は立ち上がって目を閉じ、集中する。

恐らく発動条件とは関係のない集中である。



「むむむむ....むーーーーー!!!!!」



気合を入れる父。



「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」



さらに気合を入れる父。



「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!!」



父の体からエネルギーが湧き出てきている。気がする。



「物体創造!!!!!ジェネラルソード!!!!!!」



.......シーン。



何もでない。



「んなっ!?」


「そんなすごそうな剣最初から作ろうとするからでしょ!普通の剣から作ってよ!!」



突っ込む私。

そうか、とつぶやいた後、父は再び集中しはじめた。



「むむむ.....むむむむむ......!!!!!」



気合を入れる父。



「うおおおおお.....うおおおおおお....!!!!」



さらに気合を入れる父。



「ぬおおおおおおおおお........!!!!!」



かなり気合を入れる父........!!!!!



「物体創造!!!!!普通のソードぉおおおおお!!!!」



ポンっ、という音とともに、普通のソードが空中に現れ、地面に突き刺さった。



「うおおおおおおおお!!!!やったぞおおおおお!!!」


「わーーー!できたーーー!!」


「さすがパパ!すごいわー!(にこにこ)」



パパは、普通のソードを手に入れた!


パパは、普通のソードを装備した!



「おおー。なんだか冒険者になった気分だ!」



しかしこの父、パジャマ姿である。

水玉のパジャマに、普通のソード。


パジャマに剣を装備しても面白いだけなのである。



「パパ、ママの弓も作ってみてよ」


「おう、普通の弓矢だな!」



目を閉じて、集中する父。


「うぬぬぬぬぬ......」


気合をそれっぽく入れてます、父...!



「ぐぬぬぬぬぬ.....!」


力をそれっぽく込めてます、父...!



「うおおおおおお....!物体創造!普通の弓矢!!!」



ぽんっという音とともに、普通の弓矢が空中に現れた。



ママは、普通の弓矢を手に入れた!


ママは、普通の弓矢を装備した!



しかしこの母、パジャマ姿である。

水玉のパジャマ姿で弓矢を装備しても、おもしろいだけなのである...!!



「あらあら、使いやすそうでいいわね、これ〜(にこにこ)」



母はのんびりそう言った。

弓を手で触って使い心地を確かめている。



こうして、父の物体創造により着実に装備が整っていく坂上家。



しかし、一家は未だパジャマ姿なのであった.....。

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