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初めての戦闘


「ファイヤーボール!」


私は力一杯叫ぶと、大きさ5メートル程の火球が目の前に現れ、地面をえぐりながら進んでいった。


「ぐぎゃっ!?」


あまりの大きさの火の玉に驚くゴブリン。

避けようとしたが間に合わず、火の中に巻き込まれてく。

火球は直線上にいた何体かのゴブリンに当たって消えていった。



「おおお...」


目の前の煙が消えていくと、私の放った魔法で直線のクレーターが出来ていた。

そこから白い煙がもくもくと上がっている。



「すごいな、カエデ!」


「さすがねーすごいわー」


「だあー!」


歓声を上げる家族。えへへ、と喜ぶ単純な私。



『レベルアップしました』


長方形の画面が現れ、レベルが上がったことを告げた。

だが、しっかり確認している暇はない。



「いでよ!普通のソード!」



父は鞘から剣を取り出し、ゴブリンに向かっていった。

二児の父とは思えぬほど機敏な動き。


「なんだか体が軽いぞ!敵の動きが遅く見える!」



そう言ってさくさくと敵の急所を突いていく。1回刺しただけで簡単にゴブリンは倒れ込んだ。

父に攻撃され、倒れたゴブリンは少し経った後、光に包まれて消えた。



器用にゴブリンを倒していく父。敵の攻撃が当たる様子はない。

『剣を極めしもの』の効果だろうか?

次々とゴブリンを倒していった。



「私も戦いますよー(にこにこ)」



いつもほわんとしている母の目が一瞬鋭く光り、リコを背中におぶりながら矢を弓にセットする。

的に標準を合わせて、矢を放つ。

母の矢もまた、敵の急所に当たり、ゴブリンは倒れた。



「簡単ですねー(にこにこ)」



目にも止まらぬ速さで矢を放ち、どんどんと敵を倒していく母。

元弓道部の、『弓を極めしもの』。

的に標準を合わせるときの母の集中力には、目を見張るものがあった。



両親が倒した敵の経験値も加算されているのか、私の目の前にはひっきりなしに長方形の画面が表示される。



『レベルアップしました』



「んもう!邪魔くさいな!!」



レベルアップに構っている暇はない。

順調にゴブリンを倒していく坂上家。30体は倒しただろうか。

しかし巣穴から続々とゴブリンが出てくる。

気付けば私たちの周りを100体ものゴブリンたちが取り囲んでいた。



「これは...いつ終わるの??」


「さすがにしんどくなってきた」


「私も矢が少なくなってきたわ...」



一番最初の戦闘にしてはきつすぎないか???

せいぜい弱いモンスター2、3匹とかにしてよ!



私はファイヤーボールを放ちながらそう思った。

その度に地面はえぐられ、いくつものクレーターが出来ていた。


これは...環境に悪いな。


そんなのんきなことを考えていると、ゴブリンが雄叫びをあげ始めた。



「「「「「ぐぎゃーーっ!!!!!」」」」」



総勢100体ほどのゴブリン達の叫び。

耳を擘く音が鳴り響いて、私たちは思わず耳を押さえた。



「うわあっ!?」

「う、うるさい!」



音が止み、顔を上げると、全てのゴブリンたちが一斉にこちらに向かってきているのが見えた。



パジャマ姿の私たち。

父の剣は早くも綻び始め、母の矢の残りは2、3本。


「このままじゃ負けちゃう...!!!」



どうすればいい...??

私は、額に汗が滴るのを感じた。

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