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坂上家、異世界に転移する


それは当たり障りのない、平凡な一日の終わり。

皆が寝静まった頃、煌々と輝きだした光はやがてとある普通の家族を包み込んだ。



サラリーマンの父。

パートの母。まだよちよち歩きの妹。

そして女子中学生の私である。



私はその日もいつも通りの一日を終え、柔らかいベッドで気持ちよく寝ていた。

日中に母がお布団をお日様に干してくれていたので、ふかふかで気持ちいい。



すやすやと気持ちよく眠っていた私は、突然強烈な光を感じて目を覚ました。


まぶしいなあ。人が寝てるんだから電気付けないでよね。



そんなことを思いながら目を覚ますと、そこは住み慣れたマンションではなく、

薄暗く窓のない小部屋だという事に気付いた。


ここは……どこだろう? 

パジャマ姿の私は、ゆっくりと体を起こした。

灰色の壁に、灰色の床。そして蛍光色で魔法陣のようなものが描かれている。



「これって、魔法陣…?」



何が起きているんだろう?

目覚めたばかりで、まだうまく頭が働かない。


私は床に描かれた魔法陣のような模様に手を触れた。

まだ薄っすらと光が残っている。


それにしても、やけにリアルだな。

これはもしかして、俗に言う異世界転移というやつなのでは?

いやいや、でもそんな夢みたいなこと、あるはずないよね。

 


すぐそばには父と母、そして妹が横たわっていた。

こんな状況にも関わらず三人とも熟睡している。

まるで起きる気配がない。呼吸によってゆっくりと体が上下に動いていた。



「お父さん、お母さん、リコ。起きて!」


力強く揺すっても、頬っぺたをぺちぺちと叩いても、全く反応がなかった。



「お父さん、お母さん!」



お腹をつんつんしても、鼻をつねっても、指で瞼をこじ開けても…。

だめだ。何をどうやっても、起きてくれないみたいだ。



私はあたりを見渡した。

床に魔法陣が描かれている以外は、何もないシンプルな部屋。


冷たくて硬い床。

そしてそこに描かれた魔法陣の中心に、私たち一家四人はいた。



昨日は何してたっけ?

学校から帰ってきて、ご飯食べてお風呂に入って、いつも通りごろごろして寝落ちしたような気がする。


すると突然、床に描かれている魔法陣が再び輝きを強めた。

徐々に輝きを増していく光。眩しすぎて目が開けられない。



「な、なにこれ…?」



未だかつて見たことのない光量が、視界いっぱいに広がっていた。

私がひとり焦る横で、両親と妹はぐっすり眠っている。



段々と私たちを包み込む光が消え、目を開くと、そこは空だった。


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