文字は鏡
ちがうの、と言う口癖に飽きた
ただ何も考えず、面倒ごとを取っ払って
特に真意もなく、深意もなく、言葉通りに
朝は日差しに目を細めながら、隣にいることを確認したい
昼は雑に作った食事を、向かい合っておいしいおいしいと頬張りたい
夜に何もなくても、話さなくとも、並んで窓の外を静かに眺めたい
そうして翌日、また隣の熱を確認したい
面倒なことはきらい
だとうのに、何をするにも事はつきまとい、絡まり、繋がり、引きずり合い
どうしたいの?と聞かざるを得なくなる
流行りのスイーツも高価な服も要らない
趣味を一緒に楽しめるのは、他でもないものがいるから
出掛けても出掛けなくてもいい
苦手なトマトも食べられるようになりたい
卑下する癖が嫌い
真実と嘘を見分けられないのも辛い
重さのわからないものも
濃くなる味付けも、あふれる湯船の水も
面倒なものは嫌い
知らずに涙が出るくらい、嫌い
もどかしいだけで言葉もままならない私が嫌い
だって、一滴もあなたに伝わらない