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2.突然の事件。

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詳しくはあとがきに! 次回更新予定も書いてあります!!







 ライネは身の丈百三十センチメイル程度の、慎ましやかな外見の女の子だった。しかしその反面に、綺麗な顔に浮かぶのは不遜な表情、とでもいえばいいのだろうか。

 服装は魔女らしく、ボクを迎え入れた時には大きな帽子を被っていた。



「なるほどな。アイツの息子か」

「………………」

「どうした? なにを黙っておる」



 ボクはそんな彼女を見て、思わずこう口にする。



「いや、どんな人かと思ってたから。その――」

「あぁ、捨虫の魔法が珍しいのか」

「捨虫……?」



 すると、こちらの言いたいことを言い当てたライネはそう言った。

 首を傾げていると、彼女は軽くため息をついて続ける。



「捨虫の魔法というのは、いわゆる不老の魔法だな。決して不死ではないものの、ある程度は寿命も延びるのだ」

「へぇ……」

「ただし、年増といった文言は厳禁だからな」

「うぐ……」



 前もって釘を刺されて、ボクは思わずうめいた。

 しかし、そんなこちらには気も留めず。ライネはこう訊いてきた。



「して、アレの話を聞きたいのだったな」

「アレって、父さんのこと?」

「そうだ」



 椅子に腰かけて気だるげに言う少女に、ボクが聞き返すとそう頷かれる。

 どうやら彼女は勇者である父のことを良く思っていない、らしい。

 もっとも、その原因は分からなかった。



「そうさなぁ、アレと出会ったのは王宮勤めをしていた頃だったが……」



 そして、ボンヤリと。

 ライネが昔を思い出そうとした時だった。




 ――ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!




「えっ、爆発……!?」



 なにやら、町の方から轟音が聞こえてきたのは。

 地響きを引き起こすほどのそれに、ボクとライネは顔を見合わせた。そして、大急ぎで外へと飛び出す。すると、そこにあったのは――。




「そんな、森が燃えてる……!!」





 フレリアの綺麗な森が、炎に包まれる光景だった。



 





「ふふふ。こうすれば、一網打尽ですね」




 フレリアの外には、一人の女性の姿があった。

 放火の犯人である彼女は、燃え盛る木々を見ながらほくそ笑む。




「忌々しき魔女も焼き殺せますし、一石二鳥。これで――」




 その女性は、高笑いした後にこう言うのだった。





「アタシの王宮魔術師としての地位は、揺るぎなきものに!!」――と。





 人々の悲鳴が響き渡る。

 しかし、彼女にとっては自身を賛美する声に聞こえていたに違いなかった。



 


次回更新は16時かな。お出かけから帰ってきて。




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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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