1.森の奥に住む魔女。
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「えっと、たしかあのお婆さんが言っていたのは……」
ボクはフレリアを歩きながら、王都で出会ったお婆さんが言っていたことを思い出す。曰く、各地に散っているかつての関係者のもとを訪ねよ、とのことだった。
そして、今回探しているのは魔女ライネ。
話によると勇者パーティーの一人で、フレリアに住んでいるということだった。
オジサンに感謝を伝えるついでに訊いてみたのだけど……。
「それにしても、どうしてオジサンは苦笑いしてたんだろ?」
道は教えてくれたけど、どうにも引きつった表情が気になった。
ライネはそんなに気難しい人物、ということなのだろうか。ボクはそれに一抹の不安を覚えながらも、ここまできたら帰れないと気持ちを切り替えた。
自身の出生の秘密を知るためだ。
ここまできて、後戻りなんてしてたまるか!
「それで、ずいぶんと奥まったところにきたわけだけど。ここ、もう町というよりも森の奥地だよね……」
そんなこんなで、たどり着いたのは草木が鬱蒼と生い茂る場所。
雑草の処理がまともに行われていないのか、非常に歩きづらかった。家を出る時に持ってきた短剣でそれを排除しながら、どうにか前へと進んでいく。
そうすること数十分。
ようやく、薄闇の中に一軒の住宅が見えてきた。
「あぁ、あれか?」
ボクはホッと一息ついて、その家のドアの前へ。
そして、無警戒に呼び鈴を鳴らした。
「すみませーん、ライネさん? いますかー?」
しかし、無反応。
思わず首を傾げてしまった。
もしかして、留守なのだろうか。
「いないんですかー?」
なので、確認のために何度か呼び鈴を鳴らした。
そうすること五回目。その時だった。
「だあああああああああっ!? うるさいんじゃあああああああああああ!?」
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
二階ぐらいの高さから、氷の塊が降ってきたのは!
とっさに回避したけれど、直撃したら大ケガという攻撃だった。
力の覚醒していない以前のボクだったら、まず回避することはできなかったはず。そう思いながら、氷の降ってきた先を見る。
するとそこにいたのは――。
「わしになんのようじゃ!? こんな朝っぱらから!!」
編み込まれた金の髪に、紫の瞳。
一人の、幼い少女だった。
次回更新は、お出かけするので12時に予約しておきます!
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