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3.次世代の剣聖との戦いは一瞬で。

はい、ギャグだわやっぱり。

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「どうしてアグニスが、ここにいるの?」

「おやおや、言っただろう? 僕は兄さんを殺しに来たんだよ、って」

「殺しに来た……?」



 荷馬車から降りて、ひとまず他の人に会話を聞かれない場所へ。

 そこで確認するとアグニスは、またよく意味の分からないことを口走った。やはり理解できないので、首を傾げるしかない。

 そうしていると弟は、少し苛立った表情になって言った。



「兄さんは僕にとって、目の上のたんこぶだったんだよ」――と。



 それを聞いて、ボクはついこう返した。



「え、でも家を継ぐのはアグニスだったでしょ?」



 するとアグニスは、突如として感情を爆発させる。



「ふざけるな! 貴様がいるせいで、僕は長男として享受できる恩恵を得られなかった! そして、一歩間違えれば家督を取られるかもしれない恐怖! 貴様に分かるか!? たまさかの機会を得て、公爵家に拾われた貴様に!!」

「え、えぇ……?」



 ぶっちゃけ引いてしまった。

 ごめんアグニス。ボク、そこまで考えてなかった。

 昔から仲良くできないと思っていたけれど、まさかここまで恨まれていたなんて。



「だから、貴様――アランにはこの瞬間、世界から消えてもらう!」

「ちょっと待って!? それは、穏やかじゃないよ!?」

「うるさい、これ以上の問答は無用だ!!」



 次の瞬間だった。

 アグニスが一瞬にして、ボクの懐に飛び込んできたのは。



「次世代の剣聖と名高い僕の力、味わうと良い……!」

「うわぁ! あぶな――」




 だから、こっちはとっさに魔法を使った。

 すると――。




「へ……?」




 ――どがあああああああああああああああああああああああんっ!!



 爆音が、鳴り響いた。







「ふっふっふ……」

「ずいぶんと余裕でございますね、旦那様」



 椅子にふんぞり返りながら、ダンはワインを口にしていた。

 そんな彼に、執事が恭しい所作で作業をしながら訊く。

 するとダンはこう答えるのだ。



「当たり前だろう。アグニスが動くと言ってくれたのだ。これで私の憂いも、綺麗さっぱりなくなったというもの」



 彼の言う通り、アグニスの剣術は大人も目を見張るものだった。

 だから、彼がアランを討つと言った時、勝利したとも思ったのである。あとは息子の帰りを待つだけだ。ダンはそう考えて、余裕綽々ともう一口ワインを――。



「おぉ、もう帰ったのか?」



 流し込もうとした、その時だった。

 使用人たちが、にわかにざわつき始めたのは。



「どれどれ。家を守った子を褒めてやらねばな」



 それを聞いてダンはおもむろに立ち上がり、部屋の扉を開いた。

 すると、そこにいたのは――。





「……………………」

「……………………」





 全身煤だらけ。

 そして、青のアフロヘアになったアグニスだった。






「お、おい……?」

「お父様。ごめんなさ――」

「アグニスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?」







 床に倒れ込んだ息子を見て、叫ぶ父。

 公爵家邸宅には、そんな間の抜けた声が響き渡っていた。



 


次回更新は本日中にもう一話!!



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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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