5.レイズ・エドワーズという男。
この章の黒幕です。
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――翌日の朝。
ボクたちは、この町の長である男性のもとを訪ねた。
身の丈二メイルは確実に超えているであろう、筋骨隆々の人物。彼の名はレイズ・エドワーズ。十五年以上前から、この町を取り仕切っているという話だった。
つまりは、ライネとも面識はあるわけで。
「おや、お久しぶりですね。大魔女のライネ様」
「む……」
にこやかに、そう言った。
しかしながら少女は疑いを持って接しているため、返事はしない。代わりにボクが、昨夜の賊をレイズに差し出して言った。
「この賊は、この町の人間ですか?」
すると驚いた顔をしてレイズは、
「いえいえ。まさか、そんなわけがありません!」
当然のように、そう答える。
そして使用人らしき人物に告げて、その男をどこかへ連れて行かせた。
ボクとライネは黙ってそれを見送り、ふっと息をつく。何はともあれひとまず、これで町長とのコンタクトは取れた。
あとは、いかにして実態を暴くか――だったのだが。
「申し訳ございません、御客人方。私めはこれから用事がありまして……」
一方的に、そう告げられて会話を切られてしまった。
ここで食い下がるのも不自然だろう。ボクとライネは目配せをして、レイズの言葉に従って外に出ることにした。
ただ、ボクの耳は彼の小さな声を聞き逃さない。
レイズははっきりと、こう口にした。
「ったく、下手を打ちやがって」――と。
◆
「さて、どうするかな……?」
アランたちが出ていったのを確認し、レイズは咳払い一つ。
そう口にしてから、彼らが連れてきた男を呼び戻した。縄に繋がれた彼は、あからさまに怯えた様子でレイズのことを見ている。
そして、必死にこう訴えるのだ。
「も、申し訳ございません! ど、どうかお許しを……!」
膝をついて、床に顔を擦り付ける。
その姿はあまりにも情けなく、しかし同時に生への執着が見えた。
それほどまでにレイズという男が恐ろしいのか、男はすでに大量の汗を流し、大粒の涙を流している。レイズはそんな男に対して静かに、だが楽しげにこう告げた。
「心配するな。そんな苦しい目には遭わせねぇからよ」
「ほ、本当ですか……!」
「あぁ、そうさ」
そして、その言葉に男が歓喜して面を上げた。
その瞬間である。
「がっ――!?」
断末魔の悲鳴を上げる間もなく。
レイズがどこから取り出したか分からない、巨大な斧でその首を断ったのは。
見事なまでに両断されたそこからは、おびただしい血が噴出する。そしてレイズの顔を真っ赤に染め上げるが、彼はそれすら楽しむようにして言うのだ。
「だから苦しむ間もなく、一瞬でな?」――と。
レイズはニヤリと笑って、死に絶えた男を見下ろした。
だが、すぐに興味を失うと使用人に言う。
「おい、この汚物を片付けろ」
「かしこまりました」
指示を受けた人物は、恭しい態度でそれに取り掛かった。
その様子を眺めながら、レイズは呟く。
「さて、あとはどうするか……」
机に置いてあったコーヒーを啜り、目を細めた。
惨劇はもはや過去のこと、というように。
慈悲を持たぬ鬼は、次の手を冷淡に考えるのだった。
早ければ12時くらいに更新します!
※すまん、みなさん。14時くらいかも……。




