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2/22

1.出生の秘密。

こんな始まり方してますけど、そんな暗い話にはなりません。

なんだったら、次回ギャグでいこうと思ってます。


応援いただけますと執筆速度が跳ね上がります!

よろしくです!








 ――同時刻の王城、謁見の間。



「国王陛下、なぜ私が処罰されねばならないのですか!?」

「………………」



 公爵家当主――ダンは、国王へ抗議していた。

 どうしてなのか、と。どうして、あの穀潰しアランを放逐したことを、咎められなければならないのか――と。


 しかし、国王は答えない。

 そのことにダンは異様な緊張を抱いていた。



「な、なにかの御冗談でしょう? どうして――」

「あの子は、な……」

「はい……?」



 そして、笑いに変えようとした時だ。

 深く失望したような声で、国王がこう告げたのは。




「アランは、世界存亡の鍵を握っているのだ」――と。







「ボクが、勇者と魔王の子供……?」

「あぁ、その通りさ。国王――デルガによって、秘匿されていただろうがね。まさか、こんな普通の街中で見つけることになるとは思いもしなかったよ」

「え、あの……!」



 お婆さんの話について行けずに、ボクは待ったをかける。


 ボクが勇者と魔王の子供……?

 そんな、ふざけた話があるのだろうか。

 たしかにボクは公爵家に拾われた子供だった。だけど、こんなろくでもない役立たずが、そんな重要な人間であるはずがなかった。



「まぁ、驚くのも無理はないさね。力は聖女の手で封印されているようだ」

「封印……?」



 そう思っていると、お婆さんはニヤリと笑って。

 そっと、皺だらけの手をボクの胸に当てた。


 すると――。



「え、なんだ――!?」



 白と黒の輝きが混じり合うようにして、ボクの周囲を渦巻いた。

 まるで、光と闇の両方が身体に吸い込まれるように。

 そしてそれが収まった時――。



「見てごらん、これが本当のアンタだよ」

「そ、そんな……!」



 お婆さんから手渡された鏡に映ったのは、黒と金の入り混じった髪。そして、黒と赤のオッドアイに変化した自分の顔だった。

 まるで別人。

 ボクは言葉を失っていた。



「これを見ても、まだ信じられないかい?」

「…………」



 そんなこちらに、その人は言う。

 ここまできたら信じざるを得ないのかもしれなかった。

 だけど、そうなると気になるのは――。



「そうだ、ボクの両親は!?」



 自分の家族――すなわち、勇者と魔王のことだった。

 その二人に合わなければまだ、自身の出生を呑み込めない。



「ひっひっひ。それなら、目指すと良いさ」

「目指す、ってもしかして!?」



 ボクが驚くと、お婆さんは言った。



「世界の果て。そこにある、魔王城さ」――と。



 その言葉に、ボクは胸が震えた。

 そして決意する。



「……分かった」



 こうなったら、行ってやろうじゃないか。

 その、魔王城という場所へ――!








「いいか、ダン。もしアランのことを逃してみよ。さすれば――」




 国王は忌々しげに、ダンを見下ろしながらこう言った。




「公爵家は取り潰しとする……!」――と。




 公爵家当主は震え上がった。

 そして、大慌てで謁見の間を後にする。




「先代の話を真剣に聞いていなかった木偶の坊が、このような……」




 そんな彼を見送ってから、国王は深くため息をついた。

 先代の公爵はこのことを理解していたはず。ダンにも当然、アランのことは説明をしていた。それにもかかわらず、真面目に向き合わなかったのは彼の落ち度。



「レイラはいるか!」

「はい、お父様」



 そう考えた後に、国王は娘を呼んだ。

 そして、こう伝える。



「あるいは力が目覚めているかもしれん」

「分かっております。その時はこの――」



 父の一言に、王女レイラは柔和な笑みを浮かべてこう答えた。




「聖女である、わたくしレイラにお任せください」――と。



 


次回更新は19時頃かな。

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