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4.闇討ち、容易く。

応援よろしくお願いいたします!







「へっ……間抜けな二人だ。鍵もかけずに寝ていやがる」



 一人の男が、アランとライネの部屋の前に立っていた。

 鍵がかかっていないことを確認すると、彼はゆっくりと扉を開く。そして、忍び足で中への侵入を試みた。だがしかし、その直後である。



「残念だったな」

「な、馬鹿な……!?」



 寝息を立てていたはずの少女が、扉のすぐそこに立っていた。

 驚く彼だが、その違和感を口にするより先――首筋に鈍い痛みが広がる。意識が遠退き、膝から崩れ落ちる男。

 そんな相手を見ながら、ライネは肩をすくめるのだった。



「なんとも、間抜けだな」――と。







「とりあえず、縛っておこうか」

「そうだな」



 ボクが提案するとライネは、特に意見することなく頷いた。

 そして指を鳴らし、ベッドに横たえていたデコイを消失させる。彼女が使っていたのは簡単な身代わりの魔法。得意分野ではない、とは言っていたが器用なものだった。


 少女の用意していた縄で男を縛り上げると、ボクは一息つく。

 これで、証拠は十分だろうか。そう思って少女の方に視線を投げるが――。



「トカゲの尻尾切り、というやつだ。どうせ、白を切られる」

「だよね……」



 そう言われて、やはりか、と思った。

 仮に町長的な人物にこの男を差し出しても、この町の者ではない、と言われればおしまいだ。だとしたら、気は進まないのだけれど痛い目に遭ってもらうしか――。



「ん……?」

「ひっ」

「誰か、そこにいるの?」



 そう、思っていた時だ。

 部屋の前に誰かがいることに気付いたのは。



「あ、待って!?」



 声をかけると、慌てた様子でその人物は逃げていった。慌てて追いかけるものの、想像以上の速度で距離が開いていく。

 ボクも足には多少の自信があったのに、それを振り切るなんて……。



「きゅ、急に走る、な……!」

「あ、ごめん」



 と、あまりに一瞬のことだったのだが。

 大慌てでボクを追いかけてきたライネに、ひとまず謝罪。ちょっとした距離しか走っていないのに、なにやら致命的なダメージを受けたように息を切らしていた。

 魔法専門だからって、少し体力なさすぎるかも。



「って、それよりも。今の声、もしかして……?」



 だが、すぐに気持ちを切り替えて。

 ボクは先ほどの声の主について、少し思い当たることがあった。



「ちょっと、確認してみる必要があるかな」



 そして、そう考える。

 なんにせよ、ひとまず捕らえた男性から事情を聴くのが先。ボクはライネに声をかけて、宿へと戻るのだった。







「す、すごい。アランさん……!」



 自分の足についてきた相手に、素直に驚くライル。

 物陰から宿に戻る二人を確認してから、ホッと胸を撫でおろした。地の利がなければ、あるいは捕まっていたかもしれない。

 そう考えて、ゾッとした。

 だが同時に――。



「もしかしたら、あの人なら……」



 微かな希望を抱く。

 もしや彼なら、この状況を打破できるかもしれない、と。

 少年は胸に手を当てて、大きく息を吸い込んだ。そして――。



「…………」





 ゆっくり、吐き出しながら。

 遮るもののない、綺麗な星空を見上げるのだった。


 


午前中、もう一話いけるか……?



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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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