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3.リーデローという町。

みなさん、昨日は寝てしまって申し訳ございませんでした。

応援よろしくお願いいたします!










「やはり怪しいな、この町は」




 ライネが、宿の部屋に入ってからそう口にした。

 密室であるこの場所であるにもかかわらず、周囲を物凄く警戒しながら。窓の外を見て、数少ない人の往来に目を細めていた。

 いつものボクなら何故と訊くが、今回は同意せざるを得ない。


 だって――。



「ねぇ、ライネ。この町は本当に、山賊の標的になってるの?」



 違和感が、大きすぎたから。

 ボクが訊ねると、少女はベッドに腰掛けてこう答えた。



「十五年前は、少なくとも数回襲われたな。もちろん返り討ちにしたが」

「……ねぇ、この町はもしかして――」

「あぁ、言いたいことは分かるさ。あの頃と変わっていないからな」



 ボクの言葉を遮って、彼女は大きくため息をつく。



「グランは底抜けのお人好しだからな、確証がないのに断定するべきではない、そう言っていた。だが、おかしいんだよ。この町の人間は」

「うん、そうだね。だって――」



 そんなライネに向かって、ボクは言った。

 ライルくんの言っていたことと、この町の現実の矛盾点を。




「この町には、農作物がない」――と。




 そう、そこだった。

 ライルくんは早口にそう捲し立てていたが、実際に町の様子を見ると分かる。この町では農作物を作っていないのだ。もちろんすべてを見たわけではないので、確証はない。それでも、痩せこけた大地には、草花の一つも生えていなかった。


 このような土地で、農作業ができるだろうか。

 ボクには、それが大きな疑問だった。



「その通りだ、アラン」



 こちらの指摘に、ライネも頷く。

 どうやら、十五年前のリーデローも同じだったらしい。



「今夜は気を付けて眠ろう。今さら、別の町へも行けないからな」

「うん、分かったよ」



 そう言葉を交わして、夜は更けていく。

 ボクはそこで、ふとライルくんがどうしているのかが気になるのだった。







「よくやったな、ライル。珍しく金づるを連れてきたじゃねぇか」

「は、はい……」



 とある暗い一室にて。

 ライルは、一人の大柄な男性と話していた。

 いいや正確に言えば、周囲にはたくさんの男たちがいる。みな人相が悪く、下卑た笑みを浮かべていた。


 そのただ中で、少年は小さく震えている。



「ただ足が速いだけのお前だが、今回はそれが功を奏したらしい。しばらくは、母親の治療費を払ってやろうじゃないか」

「ありがとう、ございます……」



 まるで凍えているような声。

 ライルは、何度も頭を下げていた。

 しかし次に彼が口にした言葉が、男の逆鱗に触れる。



「でも、僕はもうこんなことしたくなくて……!」

「あぁん!?」

「ひっ!」



 近場にあった椅子を蹴り倒す男に、少年は尻餅をついた。

 そんな彼に向かって、男がこう吐き捨てる。



「じゃあ、お前は一人で生きていけるのか?」

「それ、は……」

「できねぇだろ? それじゃ、オレ様の言うことを聞くしかねぇよな?」

「…………!」



 唇を噛むしかなかった。言い返せなかった。

 何故なら、男の言う通りだから。



 自分は逃げることができない。

 その力のなさに、口惜しさを強く感じた。そして思うのだ。



「もし……」



 ――伝説の勇者様なら、どうするのだろう。



 憧れの存在。

 そんなあの人なら、この状況を変えられるのではないか――と。



 


午前中にもう一話上げたいなぁ。



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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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