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10.帰る場所があるから。

これにて、第1章終了です!

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 ――そして、旅立ちの朝がやってきた。



「準備はいい? ライネ」

「あぁ、もちろんだ。しかし――」

「しかし……?」

「いいや。あの時と変わらず、ずいぶんと寂しい旅立ちだ、とな」



 出立の準備を終えたボクとライネ。

 家を出てから、ゆっくりとフレリアの町を歩いていた。

 その最中に少女は少しだけ、悲しそうに昔話をし始める。



「わしは幼くして捨虫の魔法を会得し、それを実行してみせた。それを町の者たちはみな気味悪がってな。気付けばわしは、町の中で一人になっていた」

「ライネ……」

「もっとも、それは今も変わらないらしいな」

「………………」



 ボクは何も答えなかった。

 否定も肯定もしない。ただ、真っすぐに門の方へと向かって歩いた。

 そして、ついに町の出口へとたどり着いた瞬間だった。






「ありがとうな!! ライネ!!」






 そんな、一人の男性の声が響き渡ったのは。



「な……っ!?」



 ライネはそれに驚き、振り返る。

 すると、そこには――。



「いつでも帰ってこいよな!」

「頑張るんだぞ! フレリアの大魔法使い!」

「アンタはあたしたちの誇りだよ!!」



 フレリアの町に住む、人々の姿があった。

 子供からお年寄りまで、性別も問わず、彼らはライネの旅立ちに駆け付けたのだ。そこにあるのは、今まで素直に言えなかった感謝の言葉もたくさんある。

 少女は呆けた表情になった。

 そして、自然と流れる涙を必死になって拭いながら――。





「あぁ、行ってきます、だ!!」――と。





 大きく、手を振って笑うのだった。

 旅とは帰る場所があるから、旅なのだろう。

 ライネは決して孤独などではない。これがその証拠だった。



 


次の更新は16時頃に。


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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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