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7.戦い終えて。

少し時間ずれましたが。

応援いただけますと執筆速度が跳ね上がります!

よろしくお願いいたします!










「それで、アランは何が知りたい?」




 戦いを終えて、ライネはそう訊いてきた。

 閑散とした町の中で。まるで、重い扉を開くような声色で。

 彼女はボクにそう問いかけてきたのだった。正直なところを言えば、今すぐにでも両親のことを訊きたい。でも、その前に――。



「ううん。それより先に、町の再建を手伝いたい」



 ボクは焼け焦げた家々を見上げて、そう答えるのだった。







「兄ちゃん、ホントに助かるぜ! あっという間に大工仕事もできるようになって、うちの娘婿にほしいくらいだな!!」

「いやいや、オジサンたちの教え方が上手だからですよ」

「世辞まで言えるたぁ、ますます気に入った!」



 ボクは町の男性たちと、休憩時間にそんな会話を交わす。

 数日ほど経過したけれど順調、という感じだった。このままいけば、あと一週間もすれば町の被害処理は済むだろう。

 焼け焦げた家の一部の修繕も進んでいるし、持ち直しは意外と早いかもしれなかった。でも、それはきっと――。



「早くに鎮火した、ライネのお陰ですかね」



 ボクは何の気なしに、彼女の名前を口にしていた。

 だが、そうすると他のみなさんが、少しだけ難しい顔をする。



「え、どうされたんですか?」

「あー、いや。あの嬢ちゃんとは、ちょっとな」

「なにか、あったんですか……?」

「………………」



 ボクが訊ねると、男性たちはみな一様に視線を落とした。

 数秒の沈黙の後に、一人が重い口を開く。



「勇者様が、亡くなっているのは知っているよな?」

「えぇ、そうらしいですね……」



 父が死んでいるのは、一般常識だ。

 それは、自分がその息子だと知る前からの知識。



「あの嬢ちゃん――ライネは、勇者様のことがお気に入りだったらしくてな。この町に戻ってきた時に、そのことでずいぶん荒れていたんだ」

「……………………」

「それで、他の町の奴らと大喧嘩になってな。今となっちゃ、気にしてる奴なんてほとんどいないと思うんだが……」



 どうにも、会話の糸口が掴めない。

 そう、聞かされた。



「そう、なんですね」



 ボクはそれを伝えられて、少し考え込む。

 どうにかして、解決できないだろうか――と。


 ライネは、ボクにとっても恩人に違いなかった。

 そんな彼女をこの町に、この状態で置いておくわけにはいかない。



「あの、少し提案があるんですけど……」



 そう考えたら、自然と答えが出る。

 ボクはみんなに一つの提案をするのだった。







「戻ったのか、アラン」

「うん」



 家の中に入ってきた少年を見て、ライネはふっと息をついた。

 愛しい人の息子ということもあって、どうにも面影を重ねてしまう。しかし、その感情をぐっと堪えて、少女はこう訊くのだった。



「それでは、そろそろ――」



 ――昔話をしようか、と。


 しかし、それより先に少年が口を開いた。



「ねぇ、ライネ。一つ提案があるんだけど」

「……ん?」



 不意を突かれて、少女は首を傾げる。

 なんだろう。そう思っていると、アランは手を差し伸べてこう言うのだった。



「ライネには、たくさんのことを教えてほしい。だから――」



 満面の、無邪気な笑みを浮かべて。




「一緒に、旅をしよう!」――と。




 それは、彼女にとって。

 きっと人生で二度目となる、大きな分岐点だった。



 


午前中にもう一話!



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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
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