7.戦い終えて。
少し時間ずれましたが。
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「それで、アランは何が知りたい?」
戦いを終えて、ライネはそう訊いてきた。
閑散とした町の中で。まるで、重い扉を開くような声色で。
彼女はボクにそう問いかけてきたのだった。正直なところを言えば、今すぐにでも両親のことを訊きたい。でも、その前に――。
「ううん。それより先に、町の再建を手伝いたい」
ボクは焼け焦げた家々を見上げて、そう答えるのだった。
◆
「兄ちゃん、ホントに助かるぜ! あっという間に大工仕事もできるようになって、うちの娘婿にほしいくらいだな!!」
「いやいや、オジサンたちの教え方が上手だからですよ」
「世辞まで言えるたぁ、ますます気に入った!」
ボクは町の男性たちと、休憩時間にそんな会話を交わす。
数日ほど経過したけれど順調、という感じだった。このままいけば、あと一週間もすれば町の被害処理は済むだろう。
焼け焦げた家の一部の修繕も進んでいるし、持ち直しは意外と早いかもしれなかった。でも、それはきっと――。
「早くに鎮火した、ライネのお陰ですかね」
ボクは何の気なしに、彼女の名前を口にしていた。
だが、そうすると他のみなさんが、少しだけ難しい顔をする。
「え、どうされたんですか?」
「あー、いや。あの嬢ちゃんとは、ちょっとな」
「なにか、あったんですか……?」
「………………」
ボクが訊ねると、男性たちはみな一様に視線を落とした。
数秒の沈黙の後に、一人が重い口を開く。
「勇者様が、亡くなっているのは知っているよな?」
「えぇ、そうらしいですね……」
父が死んでいるのは、一般常識だ。
それは、自分がその息子だと知る前からの知識。
「あの嬢ちゃん――ライネは、勇者様のことがお気に入りだったらしくてな。この町に戻ってきた時に、そのことでずいぶん荒れていたんだ」
「……………………」
「それで、他の町の奴らと大喧嘩になってな。今となっちゃ、気にしてる奴なんてほとんどいないと思うんだが……」
どうにも、会話の糸口が掴めない。
そう、聞かされた。
「そう、なんですね」
ボクはそれを伝えられて、少し考え込む。
どうにかして、解決できないだろうか――と。
ライネは、ボクにとっても恩人に違いなかった。
そんな彼女をこの町に、この状態で置いておくわけにはいかない。
「あの、少し提案があるんですけど……」
そう考えたら、自然と答えが出る。
ボクはみんなに一つの提案をするのだった。
◆
「戻ったのか、アラン」
「うん」
家の中に入ってきた少年を見て、ライネはふっと息をついた。
愛しい人の息子ということもあって、どうにも面影を重ねてしまう。しかし、その感情をぐっと堪えて、少女はこう訊くのだった。
「それでは、そろそろ――」
――昔話をしようか、と。
しかし、それより先に少年が口を開いた。
「ねぇ、ライネ。一つ提案があるんだけど」
「……ん?」
不意を突かれて、少女は首を傾げる。
なんだろう。そう思っていると、アランは手を差し伸べてこう言うのだった。
「ライネには、たくさんのことを教えてほしい。だから――」
満面の、無邪気な笑みを浮かべて。
「一緒に、旅をしよう!」――と。
それは、彼女にとって。
きっと人生で二度目となる、大きな分岐点だった。
午前中にもう一話!




