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プロローグ 穀潰しのアラン、廃嫡。

新作です!

応援いただけますと執筆速度が跳ね上がります!

次回更新はあとがきに!(あくまで目安なので、前倒しあり得ます


※なろうのシステム変更により、各話下で評価可能となりました。創作の励みとなりますので、面白い! 続きが読みたい! そう思っていただけましたら、ブックマークや★評価など。








「アラン! お前は、何度言えば分かるんだ!!」

「うわっ!?」



 養父に思い切り蹴り飛ばされて、ボクは床に転がった。

 周囲には使用人がいたが、誰一人としてボクのことを助け起こそうとする者はいない。それもそのはずだ、だってボクは公爵家の血筋の者ではないのだから。



「先代が拾ってきたから面倒を見ていたが、いよいよ限界だ! お前のような取柄のない穀潰しは、この公爵家に相応しくなどない!!」

「………………!!」



 養父であるダンは、そう言ってボクを見下ろした。

 そして――。



「勘当――すなわち、廃嫡だな」



 そう、告げるのだった。



「そ、そんな突然!?」

「突然などではない! お前はこれまで、我々の期待に応えるような成果を上げたか!? 学問でも、武術でもいい――何一つとして、成果を残せていないではないか!!」

「そ、れは……!」



 とっさに抗議するが、彼は無慈悲にそう言うとこうせせら笑う。



「公爵家にはアグニスという、優秀な子もいる。お前のように、どこの馬の骨とも分からない者とは違う、本当に素晴らしい子だ」

「…………」

「それに、なに私も鬼ではない。王都から出ていくための路銀も渡そう」



 冷淡に、無感情に。

 そこまで言われてしまうと、ボクも首を縦に振らざるを得なかった。



「分かり、ました……」



 こうして、ボクは居場所を失う。

 拠り所としていた公爵家を追い出されて、ボクはただの流浪者になった。







 ――翌日。

 ボクは王都の街をただ、無意味に歩き回っていた。

 公爵家を出てから数時間が経過したけれど、行く当てがないのだ。



「どうすれば、良いんだろう……」



 路銀は与えられた。

 しかし、仮に他の街に行ったとしてどうなるのだろう。

 ボクは学問でも、剣術などといった武術でも、ろくな成果を上げられなかった。万年2位だと言われた人もいるらしいけど、ボクは2位にもなれない。


 正真正銘、取柄がゼロなのだ。



「こんなろくでなし、冒険者にもなれない……」



 だって、使いどころがないから。

 ボクは自分の行く末に、頭を抱えてしまうのだった。その時だ。



「やあ、そこの坊や。少しいいかい?」

「え、ボクのこと……?」



 一人のお婆さんが、声をかけてきたのは。

 目深にローブを被ったその人は、ニヤリと口元を動かすと手招きする。それに従って歩くと、たどり着いたのは――人気のない路地裏だった。



「あの、ボクはそんなにお金持ってないですよ……?」



 そこに至って思ったのは、物取りの可能性。

 路銀はあるけど、これを盗られてはどこにも行けなくなってしまう。警戒心を最大限まで高めて、ボクはお婆さんを見た。すると、



「ほっほっほ。このような婆に、坊やをどうにかできると思うかい?」



 愉快そうに笑う。

 その表情に、ボクもついつい気を抜いてしまった。

 頬を掻きながらこう訊ねる。



「それで、お婆さんはボクになんの用なんですか?」



 こちらの問いかけに、お婆さんはにっこりと笑みを浮かべた。

 そして、ボクの顔を見て心底嬉しそうに言うのだ。



「あぁ、ようやく見つけたよ」



 深々と、頭を垂れながら。




「勇者様と魔王様の、愛し子」――と。




 


たぶん、15時くらいに!


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★評価など。

創作の励みになります。


応援よろしくお願いいたします!


<(_ _)>

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「基礎しかできない錬金術師が最強になる話」新作です。こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ・先代はなぜ主人公を引き取ったのか? ・「勇者様と魔王様の、愛し子」とは? [一言] 勇者様と魔王様の、愛し子、にそそられて読み始めました。 引き続き読ませていただきます!
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