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ハルモニア傭兵団

「走れ! 走れ! アルト! 戦場で走れない者は死んで逝くぞ!」


 重い剣と鎧を着て、村の周りを沢山走ってる。しかも。後ろから大剣使いのジークおじさんがおっきな木剣を振り回しながら追いかけてくるよ。


「アルト、最後の一周だ! 速度を上げていくぞぉ!」


「ヒェッ」


 僕の横にジークおじさんの剣がドッスンと落ちてきた。後ろを振り返ると笑顔のジークおじさんが剣を振り上げていた。


「避けろ避けろ! 怪我してもマリーダが治してくれるぞ!」


 おじさんの攻撃にあったら絶対死ぬ。お母さんは死んだ人は治せないって言ってたよ! 僕はおじさんの攻撃を躱しながらやっと走り始めた村の門にたどり着いた。


「お疲れ様ッ! 朝のランニングは終了!」


「ジークッ! 剣を振り回しながらアルトを追いかけるなと言ってるでしょうが!」


 お母さんがジークおじさんを何か叫びながら殴ったら畑のまで飛んでいった。そのまま、町まで飛んで行ったら朝のランニングも無くなるのに。


「アルト。お父さんも家で待ってるからお家に帰ろうか」


「はい、帰りたいです」


 お母さんに抱っこされて、家に戻ったらお父さんが怒っているお母さんを見て、笑っていた。


「ご飯を食べ終わったら今日はどこに行くの?」


「お昼ご飯までバーバラばあとウルトじいの魔法の勉強。その後はお父さんと戦闘訓練だよ」


「皆、アルトに教えるのが楽しみで勉強会は予約制になったもんね」


 僕は一日ごとに村の皆からいろんなことを教えて貰ってる。前はお母さんの許可が要らなかった。けど、夕方まで勉強した後にジークおじさんが野営を教えると言って、勝手に大森林に僕を連れて行っちゃって、村では僕が居なくなったって大騒動になってたらしい。


 発見された時はジークおじさんとご飯を食べている時だった。おじいちゃんとお母さんが家に飾ってある魔剣と魔法の鎧を着てたし、何より二人ともオーガより怖かった。僕も怒られたけど、ジークおじさんはお父さんが隊長をしてる自警団の人たちにボコボコにされてた。その後から僕の予定はお母さんの許可制になった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 久しぶりに懐かしい夢を見た。いつもは村が燃えている夢ばっかりだしな。あの頃は武術から土木技術までいろいろと学んだ。町に住み始めた時は村に居た人たちが専門的な知識が持っていたのが不思議だったがハルモニア村のことを調べたら納得してしまった。


 連邦と共和国に攻められていた王国は王都まで陥落しており、現在の南部公爵領しか残されていなかった。存亡をかけた戦いが近づいていた王国は休暇のついでに大森林の魔物を狩っていたハルモニア傭兵団と軍の数合わせに契約した。


 ハルモニア傭兵団は初戦で連邦共和国連合軍の大将を討ち、その後も連戦連勝を重ねて、王国領土を奪還した。最終戦にはハルモニア傭兵団長は王国軍総大将を務め、各部隊長も一万の兵力を率いて、連合軍を粉砕した。


 終結後も各地の復興や治安維持に協力し、名を挙げた。休暇中にいた大森林の付近が気に入ったハルモニア傭兵団は南部公爵と契約して、テラスキマと盾として開拓村を作り、定住した。


 王国防衛戦以前のハルモニア傭兵団の実績は魔物の討伐が多く、対人戦においては王国もそんなに期待していなかった。後に当時王子であった王はあの時、南部にハルモニア傭兵団が居たことで我々は存在していると記録が残っている。


 急に成果を挙げたハルモニア傭兵団は分からないことだらけであったが村長だったじいちゃんの隠し部屋には帝国の国章が刻まれた短剣が置かれていた。ハルモニア傭兵団の前身はイルドラード大帝国の王族親衛隊だったらしい。確かめる方法も無いし、じいちゃんの言葉が本当だとも分からない。


 最初は親衛隊や帝国とか当時は分からなかったが今となっては恐ろしいことだ。一度、墓参りと行くついでに秘密の部屋を見に行くか。 

 

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