7/35
今度は
13.最低な男との最低な出来事
夜。暗闇は、見られたくないものを隠してくれる。
「いいんですか?」
問うた言葉には、不安と、少しの喜びで震えていた。頷く彼は、何を考えているのか。
「いいよ、おいで」
彼に誘われてベッドに沈み込む。幸せな気持ちに包まれると共に、ちくりと罪悪感で胸が痛んだ。
——彼は3日後、姉と挙式するから。
14.いつまでも治らない傷心
彼氏と別れて、数ヶ月が経った。
別れてばかりの頃は毎日泣いていたけれど、最近は調子が良い。友達は安心したように笑う。
自分でも嬉しかった。
毎日の気持ちが楽になった——その筈なのに、今私は、彼とのLINEの履歴を見返して涙していた。
愛しくなるたび、かさぶたを剥がす。結局私は彼を忘れられない。