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友達へ
67.先輩が屋上によくいる理由
「どうして馬鹿と煙は屋上が好きなのかしらね」
「……それ、僕に聞いてます?」
「さぁねぇ?」
銜え煙草の先輩が笑う。
「私が屋上好きな理由わかる?」
「数少ない職場の喫煙所の1つだからじゃないすか」
「それもあるけど……」
彼女はくすりと笑った。
「どこかのお馬鹿さんが、いつも屋上にいるからよ」
68.気持ちの正体
最近仲の良い先輩は、困っていたらよく助けてくれる。
「無理すんなよ」
彼の気遣いに心が温まる。尊敬の念と共にくすぐったい気持ちが胸に在った。この気持ちは何か。
「あ、ごめん」
彼のスマホが鳴る。
「彼女から電話」
心を黒い気持ちが支配した。
その時初めて、私は先輩に恋をしていたのだと気づいた。