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話したら、
5.彼の噂話の真相
「彼女いるらしいよ」
想い人に関する噂話に愕然とした。その日の仕事は集中できず。
「今日ご飯行こ」
帰り際、当の本人は無神経にそんな提案をしてくる始末。
「彼女が悲しむでしょ」
「……彼女、いないんだけど」
「え?」
「今日できたらいいなとは思ってた」
数秒前の誘いを思い出して、思わず赤面した。
6.気づいた時にはもう遅い
別に、今の彼が好きじゃないっていうことはない。
「お待たせ」
男友達と食べるご飯は美味しいし、会話だって盛り上がる。彼氏じゃない人と出かけるのって、そんなにだめなこと?
「——無理だよ、それは」
秘密の現場を目撃した彼は、ただ一言そう言った。
彼を悲しませて、失って初めて、私は後悔をした。