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自分が
45.目的を失った墓守。
私の家系は代々墓守を務めながら死者と交流している。
「許されたい過去があるんだ」
その男は昔、誤って女性を轢き殺すという罪を犯したらしい。
——やがて、その女性が自分の母のことだと偶然知る。
私がずっと守ってきた墓。そこに居るのは、私が最も殺したかった相手だ。
私はその日、墓荒らしとなった。
46.歪んだ愛情
彼氏にフラれたことを聞いた幼馴染は私を慰めようとする。
「撫でられようが、抉られようが、傷は傷。触れられたら、痛いに決まっている。だから暫く放っておいて」
「お前が他の誰かに傷つくくらいなら俺が傷つけたい」
「な、」
彼は歪んでいると思った。しかし私を抱き締める彼の腕の中は、温かかった。