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やりたいことを
3.近くて遠い貴方
私にとって1番の理解者が彼であるように、彼にとっての1番の理解者も私だった。
「夢のために1回離れよう」
お互いの道を進むためにはそうするべきだと理解した。彼の言う通りだと思った。
——しかし離れてから自覚した。私は、彼の理解者でありたかっただけだった。
私はいつの間にか、彼に恋をしていた。
4.夏に囚われる
夏になると初恋を思い出す。
花火大会で告白された日。初めて手を繋いだ日。一緒に海を見に行った日。
好きな人ができたと、フラれた日。
夏に始まって夏に終わった、淡い恋だった。
君はもう、私のことなんて忘れているんだろう。新しい恋人と過ごしているのだろう。
私だけ、あの夏にまだ囚われている。