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よくわからないけど、
37.夏の日の独白。
暑い夏の日。
『ごめん、急に仕事入って今日無理そう』
彼からのメッセージにずきり、心が痛むのを感じる。『わかった』と返してからスマホを閉じた。
「もう、最後だよ」
彼との約束がなくなって傷つくのはこれで最後にしよう。
そう自分に言い聞かせた言葉は、クーラーの音にかき消される程小さかった。
38.世界の終わりと彼等の終わり
明日世界が終わるらしい。ニュースを見て、ほんとかよと心の中で毒を吐く。
「私達どうなるんだろうね」
隣にいる彼に聞くと、彼は笑う。
「世界すら壊れるんだ。僕達が壊れるのも時間の問題さ」
「壊れるって、」
振り返ると、彼のあるはずの腕がなかった。
「忘れてたの?僕達は、ロボットに過ぎないって」