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重荷に
29.君を僕に依存させたい
「あまり優しくしすぎないで」
彼女はある日そう言った。きょとんとしつつ「やだ」拒否する。彼女は拗ねながら文句を言う。
「君の優しさは容赦がないんだ」
頭を撫でると「それとか!」可愛く怒る。
彼女はわかってない。僕のこれは優しさじゃないよ。
君を僕に依存させて離したくないだけの、僕のエゴだ。
30.ゲームのヒロイン
「絵に描いたような重症っぷりね」
私の言葉に彼はきょとんとして顔を上げた。
久々に会ったのに彼はスマホゲームに夢中。腹が立つ。なんで私こんな人好きになったのか。
「ごめん」
私の機嫌を察知したのか、彼はスマホをしまった。
「ゲームのヒロインが君に似てて」
「……それでもこっち見てよ、ばか」