13/35
けれど私には
25.私とそっくりな貴方の恋の相手は。
私とそっくりな貴方。好きな食べ物も、好きな音楽も一緒。性別を超えて気の合う友達。
そんな貴方に、好きな人ができた。
「誰?」
問いかけると
「——さんだよ」
返ってきた答えに、愕然とした。好みの似る私と貴方だからこそあり得た話。けど信じたくない。
——彼の恋した相手は、私の恋する女の子だった。
26.死に至る息継ぎ。
私にとってお風呂に入れないことは当たり前だった。1日1食なのも当たり前だった。それが私の知るこの家族だったし世界だった。
けれど
「そんなのおかしいよ!」
お姉さんは言った。お店に連れて行き、美味しいご飯を食べさせてくれた。驚きと喜びが混ざった。
——そして家に帰ってから、死にたくなった。