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言動だった。
23.潔癖症のキス。
私の彼は潔癖症だ。
「ねぇ、ここまだ汚れてる」
幾度となく浴びせられる言葉の一つ一つに何回傷ついたか。
最近漸く慣れてきたけど「ねぇ」声をかけられたら身構えてしまう。
しかし。
「、」
唇に初めて触れた感触に、固まった。
「……嫌じゃないの?」
「これは好き」
潔癖症の彼の基準は、よくわからない。
24.路地裏の葬式。
可愛がってる猫がいた。飼うことはできなかったがこまめに世話をしていた。
しかし、死んだ。
猫の前でそっと手を合わせる。
「……死んだの?」
顔を上げると、1人の女の子が立っていた。
「うん」
その子もまた、僕と同じように子猫を密かに可愛がっていた人物だった。
それは、雨の降る夜の出来事だった。