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自分の
1.雲と太陽と、
彼は雲のような人だった。ふわふわと空に浮かび、自由気ままにしているような。
彼女は太陽のような人だった。雲のような彼に振り回される彼女は大変そうだった。
いつしか、彼女は彼のせいで本来の明るさを失っていくように見えた。
太陽に恋をしていた私は雲を憎んだ。
雲を吹き飛ばす風になりたかった。
2.社内恋愛
『今日どうする?』
仕事の終わりがけ、彼からLINEが入った。
『いつものがいい』
ふと上司と目が合う。少し笑われたような。無視してPCに向き直った。
——数時間後
「お疲れ」
目の前にいるのはその上司。
彼と私の付き合いは、職場の人には秘密。バレないようにというドキドキ感を、楽しんでいるのも秘密。