49 秘薬
「いや、どうゆう事?」
「だから、私も受験するのよ」
真剣な表情で言ってくるユリシア。
いやいやいや、ちょっと無理があるでしょ。明らかに外見16.7歳だよ?
書類とか偽装しても無理でしょ。
「あの、ユリシア。十二歳の女の子が集まる学院なんて最高じゃないとか思ってるんだろうけど流石にちょっと無理があるよ」
「な、なんで分かったの!?」
本当にそうだったのかよ! 当たって欲しくなかったわ!
「まぁ、流石に私もこの姿のまま行こうなんて思ってないわよ」
ユリシアはベットから降りて持ってきたカバンの中から何やらゴソゴソと探し始める。
「あった、これこれ」
ユリシアがカバンの中から取り出したのは試験管に入っている透明な液体。
「なにそれ?」
「まぁ、見てなさい」
試験管を握り、ユリシアが液体に魔力を流して行く。
数分流し終えたところで液体が虹色の輝きを放ち始める。
「ふぅ、私の魔力10回分ってとこね」
そんな事を言うと、試験管の液体を一口で飲みほす。
すると、液体から放っていたようにユリシアの体が虹色の光を放ち始めた。
「うっ、まぶしっ」
虹色の輝きが最高潮に達したあと徐々に輝きが引いていく。
光が消えると。
「ほら、これで問題ないでしょ?」
小さくなったユリシアが居た。
俺と同じぐらいの身長になっている。確かにこれなら十二歳と言われても疑わない。
「なに、今の薬?」
「今の薬はね、古代遺跡から出土した文面を私が解読して見つけ出した秘薬よ。
作るための素材に、ドラゴンの血とかオリハルコンとか馬鹿みたいに入手の難しいものばっかりだったから一本しか作れなかったし、魔力をこめるのも少しずつやってたけどものすごい時間かかるし、燃費の悪わね」
そんな薬一本作るためにドラゴン狩ったのかよ。
「その薬が凄いのは分かったけど、その薬どれくらいもつんだ?
一本しかないんだろ?」
「何か勘違いしてない?
今の薬は強制的に身体を若返らせる薬よ。だから、今私は十二歳の身体に戻ったわけで、変身とかじゃないわよ。
この十二歳の身体から成長していくし、本当に身体が戻ったのよ」
マジか。一時的なものじゃないのか。
凄いことするな。十二歳の女の子が集まる学院に行きたいだけで。
「それ、身体に支障とかないの?」
身体を強制的に若返らせるなんて何か副作用とかがあってもおかしくないような気がするが、どうなんだろう?
「ん〜、無いことはないけど、命に関わるようなことはないかな。
身体が小さくなったことで魔法が扱いづらくなったぐらいかな。身体が違うと魔法を使う感覚が違うみたいだけどすぐに慣れると思う」
「へ〜そうなんだ」
「あ、どうしよう」
ベットの上にあるユリシアが自分を見ながら言う。
「服、ない!」
立ち上がるときている服がブカブカなのがよく分かる。
身体が小さくなったから服が合わなくなったのか。
「仕方ないから今はこれでも着てて」
俺はアイテムボックスから自分用のワンピースを取り出す。
「身長はほぼ一緒だし、ワンピースなら多少違ってもきやすいでしょ?」
「ありがと。有り難く着させて貰うわ」
それにしても、元から思っていたが中身を無しにして外見だけ見れば美少女だったけど、小さくなっても美少女なんだなぁ。
特に胸は一段と小さくなっている。
「そういえばさ、入学試験ってどんな事するの?」
「えーと、確か計算と歴史、あと実技試験の三つよ。点数の割合は1:1:8だから実技試験で点数を稼げば筆記試験を白紙で出しても受かるから大丈夫よ」
「そう、それならいいけど」
こうして、俺とユリシアはデリウス王国魔術学院を受験することが決定した。




