13 孤児院
中に入ると玄関の様なものがあり、その奥に大きな部屋があった。その部屋には、木で作られた大きなテーブルがあった。椅子の数は10個しかないが、数を増やせば20人くらいで囲まそうなくらい大きい。
だが、それ以外の家具はなく必要最低限のものしかない様な光景だった。
テーブルの横には大きな空間があり、そこでグロリアより少し大きいくらいの男の子一人と12.3歳くらいの男の子が遊んでいた。
何かの棒を持っている、チャンバラでもしているのだろうか。片方の小さい男の子は短く切りそろえられた髪で、ものすごくやんちゃな雰囲気が出ている様な気がする。
もう一人の相手をしてあげている人は、短く切りそろえられた髪、イケメンの部類に入りそうな顔立ちをしていた。
テーブルには、二人座っている人がいた。一人は16.7くらいの女性。腰くらいまで伸びた茶髪。優しげな雰囲気を感じる。もう一人は8歳くらいの女の子。ショートカットの髪で、明るい雰囲気な感じだ。クラスに居たら絶対にリア充だと思う。
その子は女性と何か話しているみたいだ。
俺が入って来たことに気づくと、女性がこちらに歩み寄ってくる。
「グロリア、ルシアおかえり。その子は?」
ルシアが女性に何があったかを説明してくれた。途中、グロリアが蹴り飛ばされた話が出ると身体をあちこち触ってすごく慌てていた。
俺が上級ポーションを買った話に入った時は、「お金は必ず」とか言ってきたり、お金はいいと言ったらひたすらペコペコと頭を下げて来た。
後、俺がここに泊まるのもオーケーだそうだ。
「えーと、これといってもてなすこともできませんが、ゆっくりして行って下さい」
「はい。ありがとうございます」
ちなみに女性の名前はレティシアだそうだ。
俺たちが話していると、さっきまで遊んでいた男の子と青年、女性と話をしていた女の子が集まって来ていた。
「グロリアを助けていただいてありがとうございます。俺の名前は、レックスです。
こっちのやんちゃそうなのが、ヴィル。この子はノーラです」
女性と話し終えると、さっきまで子どもの遊び相手になっていたイケメンーーレックスがお礼と自己紹介をしてくる。
「俺の名前はステラです。今日は泊まらせてもらうのでよろしくお願いします」
レックスもこれまでの人同様に俺と言うと頭の上に?のマークが浮かんだ様な顔をする。
他の子は気にしていない様だ。
「ステラさん、何もないですがゆっくりどうぞ」
「よろしくお願いします」
「お姉ちゃんは冒険者なんだよね!?冒険のお話聞かせてよ?」
何故さん付け?外見だけ見ればレックスの方が年上に見えるはずだ。やっぱり中身の雰囲気が染み出してたり……
レックスに続いてノーラも挨拶をして来た。
次にヴィルは急に冒険の話を迫って来た。そう言う年頃だろうか。でも、俺に冒険の話を迫られても困る。昨日に冒険者になったばかりなのだから。
話そうと思えば、異世界転移という冒険の話ができるがやめておこう。
「ごめんね、まだ冒険者になったばっかりだから話ができる様なことはないんだぁ」
そう言うと、ヴィルは「えぇー」と言い、ルシアは「うそっ!?」と驚いている。
まぁ、なったばっかりにしてはチートだからなぁ。
「それにしても、なんでさん付けなのレックス……君?」
呼び捨てでもいいのかな?俺からしたら3歳くらい年下だけど。
「だってステラさん俺より強いでしょ。自分より強い人には敬意を払わないと。それにいい人みたいだし。あと、俺はレックスで良いですよ」
「あぁ、そう」
ん?どうゆうこと?自分より強い人だからさん付けなんて、何か冒険者みたいなことやってるのか。普通、これくらいの歳の少年が考えることか?
まぁいいか。今日は朝早かったしお言葉に甘えてゆっくりしようかな。
「じゃ、風呂でも……」
おっと、ここは日本じゃない。いつも休む時は風呂に入ってからだから風呂でもって言っちゃったよ。
この街に大浴場とかないのかな?貴族や王族なら入ってそうだけど街にあるかは微妙だな。
「なぁ、レックス。この街に大浴場ってある?お風呂に入りたいんだけど」
「あるけど、値段が……いやステラさんなら大丈夫か。でもこの時間から?」
ん?この時間?今は夕方だが少し早いぐらいだろう。別に問題ないと思うが。
「うん、今から入りたいから知ってるなら場所教えてよ」
場所を説明してもらうついでに教えてもらったが、値段が結構高いらしい。風呂なんて貴族ぐらいしか入らないんだとか。大浴場がここ最近に出来てからは、一般人も入る様になったが値段が一般人にはとてもじゃないが高いらしい。商人や高位の冒険者なら時々行くらしいがレックス達には無縁の場所だ。
街に一つなら値段が高くなるのも仕方ないか。
「すいません、レティシアさん。ちょっと大浴場に行ってます」
「分かりました。でもこの時間からですか?」
「はい……そうです」
え?だから何。この時間なにかあるの?
俺が孤児院から出ようとすると、スゲェ羨ましそうな目でルシアが見つめてくる。本人に自覚があるかは分からないが。
「大浴場行きたいの?一緒に行く?」
「え!?でも大浴場って高いしステラ姉ちゃんに負担がかかっちゃうかも……」
「お金なら、全然問題ないよ。どうせすぐに稼げるし、行こうよ?」
そう言うと、目を輝かせて頷いてくれた。実際レッドボアを買っただけで金貨2枚と大銀貨5枚、日本円なら25万も稼いだことになる。多分お金の心配は今後は大丈夫だろう。
玄関のところで話していたので他の子は付いてくることはなく俺とルシアだけで大浴場に行く。
……あれ?11歳の女の子と中身が高校生の俺が一緒に大浴場なんて完全アウトじゃね。絵面的には百合だから大丈夫かもしれないけど……
俺だけ男湯に……自分で言っといてなんだがこれは却下だな。野郎の視線は気持ち悪い。
仕方ない。これは年の離れた妹を風呂に入れる感覚だ。そうに違いない。そうじゃなければ俺はロリコン認定されてしまうだろう。
平常心だ平常心。頑張れ俺!
大浴場までの道でルシアがすごい上機嫌で鼻歌を歌っていた。相当嬉しいのだろう。レックスが俺たちには縁がないって言っていたし。この笑顔は純粋に可愛いと思った。
ロリコンじゃないよ?




