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あの青薔薇の少女は静かに雪に消えていった。  作者: 如月 莉乃(白玉ぜんざい)
3/3

その名はローザ

「ここは…?私は、一体…。」

少女は上半身を起こし、周りを軽く見回す。そしてソルとナチュレに気がつくと、腰をひねって足を回し、器用に足を着くと、部屋の中、しかも目を覚ましたばかりにも関わらず大きく飛び退き、ふわりと着地すると、2人に怯えと警戒が入り乱れた視線を投げかけ、低く腰を落として戦闘態勢に入る。

それに驚いたのか、ナチュレは顔の前で手を振り、警戒を解こうと必死に言う。

「あっ安心してよ!私達は攻撃なんかしないし!ほっほら!助けたぐらいだよ!?」

それを聞いて少女は、すっと立ち上がり、警戒態勢を解除して言った。

「…私は貴方達に助けられたのか?…そうか。」

そこでナチュレがここで初めてローザの姿をしっかりと確認した。腰まで届く、ウェーブのかかった長い銀髪。右目の方は、軽く目にかかってしまう程度に切り揃えられ、それ以外は長く伸びてはいるが、目に入らないように左に流している。左の耳元、ちょうどナチュレが髪飾りをつけている辺りだろうか、その場所には、鮮やかな青い薔薇が一輪飾られている。袖が長く、丈は膝まである深い青のワンピースに身を包んだ彼女は、無表情だが、ところどころ皮膚が擦れていて、血が滲んでいる。一体、何があったのだろうか…?

ナチュレが顔に出すまいとも思いながら心配そうに見ていると、ほっとした様子のソルが、矢継ぎ早に少女に疑問を投げかけた。

「おい、体は大丈夫なのか?なんであんな所で倒れてたんだ?…お前、名前は?」

少女は無表情のまま、ソルには目線を向けず言った。

「動けるのだから問題は無い。私の名はローザだ。ローザ・アズール。…倒れたと言っていたな。理由は知らん。というか名前以外の記憶が無いのだが。」

ローザと名乗った少女の言葉は、淡々としていながら、少し困惑と焦りが混じったように聞こえた。

「記憶が…か。うちの村の占い師なら、何かわかるかもしれないね。行ってみる?」

ナチュレが住んでいる村の占い師はとても腕が立ち、占いだけでなく、予言や特定の人に隠されている秘密を明らかにすることもできると言われている程だ。確かに、あの占い師なら何かわかるかもしれない。ローザとソルはその事を知らないが、ナチュレを信用して、ゆっくりと頷いた。占い師の居る所へは少し時間がかかるらしく、ナチュレが簡単に出かける支度を始めた。

某ゲームのせいで鬱展開になりそうです。

気になった人は、「東京タワーが赤い理由」で検索してみましょう。

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