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東方人獣妖鬼  作者: 狼天狗
第参章 悪魔の目論見
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第95話 友人との再戦

 守矢神社に向かう道中、適当に雑談をしていた。道中はする事がなく、暇で仕方がない。話題は亮から出された。俺が妖夢といつから付き合っているかだ。


「そうだな、文が俺の事について取材を回り始める前ぐらいかな」


「……わからないんだが」


「うーんと、数ヶ月前くらいか」


 それを先に言って欲しいと、小さい声で言われた。そして、次の質問だ。どうして付き合い始めたかだ。


「そうだな。俺たち、付き合う前に一緒に風呂入った事あってさ。その後お互いを思い始めたのかな」


「風呂に……か」


 亮、妄想してんのかな。いや、そんな奴じゃないか。そして、いつの間にか守矢神社へと到着していた。


 周囲を見渡すと、既に鬼が来ていた。相変わらず宴好きだな。


「お、久し振りだな幻真! 隣の奴は友人か? 丁度いい」


 勇儀さんがニヤッと笑うと、急に強く腕で首を絞められ、酒を無理矢理飲まされる。また悲劇だ……


 チラッと亮の方を見ると、苦しみながらも普通に飲んでいた。後々後悔するからな、覚悟しとけよ……






 他の連中が来るまで俺たちは散々飲まされていたが、白狼天狗の椛や河童が来ると、勇儀さんは俺たちを投げ出してそっちの方に行ってしまった。扱いが雑なんだから。


「幻真、縁側で飲もう」


「おう」


 俺は亮に誘われ、酒瓶を三本ほど持って縁側に行く。そして縁側に腰を掛けて杯に酒を注ぐ。生憎、この酒しかなかったようだ。


 月明かりが外を照らす。俺は月を見上げながら、亮に語りかける。


「こんな平和が続けばいいんだが……」


「僕も同じ事を思った」


 やっぱり亮とは気が合うのかな。そんなこんなで嗜んでいると、誰かが料理を運んで来た。悠飛、千代春、刹那の三人だ。彼女たちも来ていたんだな。


「この人、別世界から来た人だね」


「うんうん。名前は〜?」


「名前は相手から名乗るものだと思いますが……」


「忝い。私は安倍千代春。こっちが朝露悠飛で、そっちが夕霧刹那だ」


 千代春は古臭い言葉を使いながらも、淡々と自己紹介をする。そして、亮も自分の名前を名乗った。


 三人は料理を置いていっただけで、早々と中へと戻って行った。そんな彼女たちを見届けて、亮へと話を振る。


「藍さんとはどうなんだ?」


「まあ……それなりには」


「そうか。俺の友人にさ、狼とか、火御利って人がいるんだけど、旅立つとか言ってどっかに行っちまったんだよな。理由はわかんないけど」


 亮が見上げていた月から目を逸らし、俺に顔を向ける。そして、俺は続きを話す。


「やっぱ、仲間っていいよな」


 ニコッと笑って、亮にそう言う。彼はフッと笑い、煙草を吸い始める。俺は杯を口に運ぶ。落ち着いて飲める酒は好きだ。


「もうこんな時間か。縁側で寝たら風邪引くし、中に行くか、酒臭いけど」


「そうだな」


 俺が中へ戻ろうとすると、亮に呼び止められた。何を言われるかと振り向く。


「明日の朝、帰る前にあの時の続きをしないか?」


 まさか亮から誘われるとは思わなかった。まあ、俺は挑まれた戦いを拒否するほど気弱な男じゃないんでね。


「望むところだ。だが、どこでやろうか……」


「白玉楼の庭とか、どうです?」


 その声の主は、妖夢だった。俺は亮と顔を見合わせるなり頷いて、明日に備えて眠りにつくのだった。






 早朝、日が昇り始めた頃。俺は目を覚まし、辺りを見渡す。亮はまだ寝ている。宴会に参加した皆も寝ていた。俺は起きていた早苗に水を貰い、酔いを醒ます。久し振りに二日酔いの気分だな。


 縁側で久し振りに真神剣を磨く。最近磨いてなかったんだよな。想起特製で錆びないようにはなっているらしいが、やっぱり手入れしたいもんだ。


 再び中に戻り、妖夢を探す。妖夢は可愛い寝顔で寝ていた。彼女の近くに座り、前髪に触れる。君のその幸せそうな顔に惚れたもんだよ——と、誰かが目を覚ます。


 それは亮だった。俺は彼に姿が見えるように立ち上がり、外に出ようとする。だが呼び止められ、顔を洗うのと、水を飲みたいと言うので外で待った。


 真神剣を振りながら待っていると、霊妙さんが出て来た。どうやら、観戦するために白玉楼に付いてくるようだ。亮が出てきたのを確認し、早速俺たちは白玉楼へと向かった。






 目的地に着き、戦闘体勢に入る。戦う前に、俺は聞いた。


「森とかじゃなくて良かったのか? こんな所じゃ亮にとって不利だろ」


 だが、彼は表情を何一つ変えず言った。


「あまり甘く見ないでほしい」


 俺はニヤリと笑い返す。そして、お互い武器を構えて位置に着く。


「準備はいいな」


「いつでも来い」


 先手は亮。MP7A1という銃を使ってくる。俺は銃弾を切り落とし、亮に突撃する。斬ろうと剣を横に振ったところを飛んで避けられ、空中に投げ込まれたところに銃弾を二、三発撃たれる。俺は剣で振り払い、亮に突撃する。そして、刃が腹に刺さる。


「おっと、そうはさせない」


 俺の首を掴もうとする亮の手を斬り、侵食を防ぐ。そして、亮の腹部を剣で斬り裂いて、距離を開ける。開けたところを、再生した手で先程使っていた銃とは別の銃を発砲してくる。その発砲された弾に被弾し、爆煙が発生する。


 その煙の中で、亮はナイフを使って斬り掛かってくる。剣を仕舞って短刀を取り出し、攻撃に応じる。煙が止むと、お互い距離を開けて息を荒げた。




 第二ラウンド。次の先行は俺だった。弾幕を二つほど飛ばし、更に短刀を持って飛びかかる。その攻撃を亮は軽々と受け、もう片方の手で銃を使い、発砲してくる。その攻撃を防ぐべく、短剣を振って銃弾を弾く。しかし、その間に懐に潜り込まれて腹部を切られる。


「俺は蓬莱人じゃないんでなッ」


 亮を蹴り飛ばそうとするが、腕をクロスして衝撃を防がれる。俺は距離を開け、アクセルモードを発動する。亮は驚いていた。パワーアップができるとは思わなかったのだろう。


 超技術——縮地で一気に亮との距離を縮め、短刀で斬りかかる。だが、しゃがんで避けられ、下部から銃弾を発砲して来る。俺は危機一髪のところで銃弾を躱し、武器を真神剣に持ち替える。もう一度と攻撃しようとしたが、霊妙さんに止められた。


「そこまでにしときなさい」


「……わかりました」


 お互い武器を仕舞い、紫さんを呼ぶ。紫さんは直ぐにスキマから出て来て、亮を送る準備をした。


「準備ができたわ。別れの言葉でも言っときなさいよ」


「一戦交えれて良かった。また会おう」


「ああ」


 背中を見せてスキマの中に消えていく亮に手を振りながら、別れを告げた。また会えればいいな。






 霊妙さんと守矢神社に戻り、妖夢と幽々子さんを連れて帰ろうとする。だが、ある者に弾幕ごっこを挑まれた。


 その相手は霊夢だ。どうやら久々に実力を見たいとのこと。いつ振りだろうかと思い返してみると、それはアクセルモードを習得し始めた時であることに気が付く。


「よし。それじゃあ、博麗神社に行こう」

コラボお相手【ごまみりん先生】

登場キャラ《佐山亮さやまりょう

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